約 3,642,309 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2360.html
はじめに ぱちゅりー大好きです。 設定は現代。 ぱちゅりー以外のゆっくりに対する扱いが酷いです。 ネタが満載です。 前半はぱちゅりーといちゃいちゃ、後半はまりさ種とかをSATSUGAI。 ゆっくりぱちゅりーが可愛くて仕方が無い。 とにかく大人しい。アパートに暮らしている俺にとって、 「ゆっくりしていってね!!」 と大声で叫びながらボヨンボヨン跳ね回るどこぞのゆっくりなんぞ迷惑なのだ。 その点ぱちゅりーは静かに移動する。跳ね回るというよりは、ずりずりと這って移動する方が多い。 そして可愛い帽子。 三日月の飾りが特徴的な帽子はほんのり紫がかっていて、触ってみると羽毛布団のような心地よさだ。 どこぞのゆっくりがかぶっている三角帽子なんぞ上からじっくり圧縮してやりたくなる。 さらに可愛い瞳。 常に眠たそうな、半目のようなその瞳。 そんな上目遣いで俺を見ないでくれよハニー。思わずきゅっきゅと抱きしめたくなるじゃないか。 ふてぶてしい目でこっちを蔑むように見てくるどこぞのゆっくりなんぞ、目に指を突きつけ、強く押したくなる。 さらにさらに、可愛くて長い髪の毛。 紫色の髪の毛は若干色艶がほかのゆっくりに比べて劣るが、撫で心地は最高だ。 程よく指に絡み付いてくる。色的に控えめなのも素晴らしい。 パツキンを見せびらかしながらヘラヘラ笑ってるどこぞのゆっくりなんぞバリカンで1ミリに刈り尽くしてやりたくなる。 そしてその可愛い鳴き声。 「むきゅーん」 むきゅーんって。むっきゅーんて。ちょっと舌足らずに鳴くところなんて最高だね!! どこぞのゆっくりなんぞ鳴き声が「ゆっ、ゆっ」だからね。 「ゆ」って。「ゆーっ」って。そんなに「ゆ」って言いたいなら銭湯の前ででも叫び続けてればいいのに。 病弱なのもポイントが高い! ちょっとした気温の変化などでも病気になりやすいから、注意深く接してやる必要がある。 風邪をひいて、ケホケホと可愛い咳を出しながら、ほんのりと赤く染まった顔に氷嚢を当ててやる時なんて 「まったく、俺がいないとどうしようもないんだからぁ」と言ってしまうくらいだ。 それに対してぱちゅりーが 「むきゅ……おにーさんごめんなさい」 なんて言おうものならその日はボー○でストライクフリーダ○とインフィニットジャスティ○を倒せそうな気分になる。 もう棺おけだなんて言わせない。嫁補正もかからない。 お利口さんな所なんて素晴らしいじゃないか。 人間社会のルール、その基本的なことは覚えさせた。ちょっと苦労したけど。 だから食べ物を食べるのも、ゆっくりできる家を持つのにもお金がいる、そのためには一生懸命働く必要がある、 ということをこのぱちゅりーは、このぱちゅりぃは理解している。 お野菜が勝手に生えてくるとか抜かすどこぞの馬鹿ゆっくりなんぞ片っ端から埋めたくなる。 ちょっとおつむが弱いのも恋愛ゲームのヒロインの基本で素晴らしい萌え要素だ。 お利口さんで物覚えは良いくせに、ちょっと頭のネジが緩んでるキャラ、いるよね? ぱちゅりーもそんなポイントをしっかりと抑えているんだ。 この前与えた絵本の内容が 「カバのバケモノのような生物が、目つきの悪い女の子や釣りが好きなおにいさん達と適当に日常を過ごす」 というものなのに、ぱちゅりーは 「むきゅ!てつがくのごほんなのね!」 なんて軽く勘違いしてくれた。むきゅむきゅ言いながらページをめくるその姿がなんと可愛らしいことよ。 本を与えればビリビリとページを破って巣作りに使う馬鹿ゆっくりなんぞ週間少年サン○ーで挟みこみたくなる。 軽い妹的な魅力というか萌えポイントが俺の心をくすぐるんだな。 「ツンデレ」とか「とかいは」とか抜かしてるゆっくりなんぞ下水道に満遍なく流し込みたくなる。 とにかく俺はぱちゅりーが好きだ。ぱちゅりーがいれば他は何もいらない。 ……いや、お金は必要だ。生きるために必要なもの以外で、ぱちゅりーを除いて必要なものと言えば 1/100サイズのマスターグレードくらいか。最近は滅法高くてなかなか手が出せないけどな! というわけで今日も大好きなぱちゅりーとお出かけだ。 道中、 「ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!とおりたいならつうこうりょうをはらってね!」 「「「ちゅうきょうりょうをはらっちぇね!」」」 「そしたらさっさとしんでね!あ、ぱちぇはもらっていくからね!!」 などとほざいてきた馬鹿ゆっくりの家族がいたので、親まりさの三つ編みを掴んで振り回し、子ゆっくり共に叩きつけてあげた。 「ゆぅ?…ゆびゅぇ!」 「やめちぇ……ゆびゅる!」 「おねえちゃ…ゆぎぇええ!」 「そういえば阪神にいたバースって今なにしてるのかn……ゆぎゅうう!!」 などと叫びながら命を散らしてゆく子ゆっくり、赤ゆっくり。 目を見開きながらその光景を見ていたが、我に返ると同時に激昂した親れいむが 「よ゙ぐも゙あ゙がぢゃ゙ん゙を゙お゙お゙お゙!!!!!ぢね゙え゙え゙え゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙!!!」 とか叫びながら突進してきたので、掴んでいた親まりさを渾身の力を込めて投げつけてあげた。 叩きつけたら自分が餡子まみれになりそうだからね。 「「ゆ゙ゔゔゔゔゔゔゔゔ!!!!!」」 ゆっくりできない速さで衝突した両者は、餡子や涙やヨダレなどをあらゆる部位からアウトプットしながら果てた。 馬鹿ゆっくりなんぞ、割れた飛行機の窓ガラスをク○マティの顔で埋める位でしか役に立たないと思ってるからね。 クロ○ティ今何してるんだろうなぁ。 うん、いい運動になった! 俺が飼っているぱちゅりーには 「悪いゆっくりはね、自分達だけがゆっくりすることができると思い込んでるから、あんなことを言うんだよ」 と言い聞かせ、人間の家や畑に侵入した馬鹿ゆっくり共の末路を社会科見学を兼ねて、実際に見せながら育てたのだ。 そのため、今始末した馬鹿ゆっくりの家族も、同族への同情なんてこれっぽっちもないと言い切ってくれた。 素晴らしい。それでこそ俺のぱちゅりーだ。 今日はバッティングセンターに行った。 先ほど馬鹿ゆっくり共を始末した際、なぜか、不思議と、突然野球がやりたくなったのである。 ペットゆっくりを伴っての入店がOKなので、そのままぱちゅりーを連れて中に入る。 みんな思い思いにゆっくりを連れて、バッティングにいそしんでいる。 「むきゅきゅ、みんな…ぼうをにぎりしめて、つよくあててるわ!」 などと意味深な発言をするぱちゅりーに3/4くらい満足しつつ、早速自分も110km/hのボックスに入る。 「よしぱちゅりー、見てれ!お兄さんがすごいのを打ち上げてやる!」 「むきゅ!よくわからないけどおうえんしてるわ!」 …ちなみにぱちゅりーは危ないのでロビーに置いてきている。飼いゆっくりのバッジをつけているので大丈夫だろう。 ……………… ………… …… 「今日はこれくらいにしといてやらぁ!!」 「むきゅ!おにいさんすごいわ!」 110km/h・120km/h・90km/hのボックスでバットを振り回し、 結果としてヒット性の当たりを「1本」という、とても多くの数を打つことができた。 あとはボテボテのゴロだったりフライだったりするわけだが、ぱちゅりーは球を打つことがすごいと思っているようだ。 これはこれで、このまま認識させておこう。 その後ゆっくりペットショップでぱちゅりー用の帽子飾りや絵本を買い、 弁当屋さんで晩飯を買って帰る。 …………………… ……………… 「ゆ!あのにんげんだよ!あのにんげんがまりさたちをころしたんだよ!」 「ゆっくりできないにんげんはいきてるかちなんかないね!!」 「まりさがいちびょうでころしてやるから、ありがたくおもうんだぜ!!」 「ゆっ!まりさにかかればばかでむのうでうんうんをだすていどしかできないにんげんはざこだね!!」 帰り道の途中、わめき散らしながらこちらに突進してくるゆっくり3匹と出くわした。 まりさ種が2匹、れいむ種が1匹。 ……向こうにもう1匹いる。頭からツタが生えている妊娠ゆっくりのようだ。れいむ種だとわかる。 あの妊娠れいむが昼間に俺を見たのだろう。仲間に何か伝えている。 昼に潰した馬鹿ゆっくり共が属する群れの仲間か何かだろう。 現代社会で群れを形成するとは珍しい。 (面倒だが……)仕方がない…仕方がないんだ!撃たなければ!! 弁当をぱちゅりーに預けて、迎撃開始だ。 まず向かってきたまりさをカウンターで蹴り飛ばし、1匹目の真後ろにいたれいむに衝突させる。 その2匹を踏みつけつつ、大ジャンプして俺に渾身の体当たりを食らわそうとしているまりさを両手で叩き落す。 悶絶している1匹目のまりさの帽子を素早く奪い取り、思いっきり引き裂く。 「ま゙り゙ざの゙ぼゔじがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」 悶絶しつつも帽子への執着は忘れていないまりさ。さすがゆっくりだ。 しかし顔面を思い切り蹴飛ばされた痛みと、れいむに激突した後頭部の痛みに挟まれてピクピク痙攣するばかり。 「邪魔するからよぉぅっ!!」 「ぶべえ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙ぇ゙ぇ゙…………」 助走をつけて渾身のシュートをお見舞いしてみる。 断末魔の叫び声を散らしながら、はるか遠くまですっ飛んでゆくまりさ。 あの分ではサンクチュ○リにまで飛んでいったかもな。 民家が密集しているので蹴り飛ばす方向だけは気をつけた。 ふぅと息をつき、視線を横に移動させると…叩き落された3匹目のまりさが一目散に逃げようとしている。 「ゆっ!ゆっ!さっさとにげるぜ!!」 「どぼじでれ゙い゙ぶを゙お゙い゙でに゙げる゙の゙お゙お゙お゙お゙お゙!?」 「まりさはあぶないとおもったらにげるんだぜ!」 見捨てられた2匹目のれいむ(1匹目の魔理沙に激突した個体)を振り返ろうともせず、叩き落されたダメージで フラフラになりながらも逃げるまりさ。……逃がすものか。 走って追いかけて数秒。あっさりとまりさを捕まえた。 このまりさも帽子を奪い取る。 「ま゙でぃ゙ざの゙ぼゔじ!!がえ゙ぜ゙え゙え゙え゙!!!!」 俺が帽子を持った右手を高く上げているため、ぴょんぴょんと飛び跳ねて帽子に食いつこうと無駄な努力をするまりさ。 手を高く上げ続け、そろそろ疲れたなぁと思ってきてもまりさはぴょんぴょんと飛び跳ねて帽子に食いつこうとしている。 しかしまりさも疲れているため、さっきまでは腰ほどまで跳ねていた高さが今は膝までくらいになっている。 そろそろ返してあげよう。 「そおいっ!!!!」 「へぶしっ!!!!!!!!」 まりさが飛び上がったタイミングで、右手を帽子を持ったまま思い切り振り下ろし、脳天にカウンターを食らわせつつ、 まりさごと地面に叩き潰した。ゆっくりを叩き潰すと餡子が飛び散って酷いことになるのだが、帽子が上手く餡子をさえぎり、 返り血ならぬ返り餡子が服に付着するのを防いでくれた。……おお、帽子が役に立った。 「ばでぃ゙ざあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!」 変わり果てたまりさの姿に絶叫するれいむ。さあ、次はキミだよ。 ぶちぶちぶちぶちと髪の毛を引きちぎり、リボンをはるか遠くに投げ飛ばし、れいむの頭を掴んで底部を壁に強くこすり付ける。 「い゙だい゙い゙い゙い゙ぃ゙!!や゙べでぇ゙え゙え゙え゙え゙え゙!!」 「哀願するくらいなら初めから人間に近づかないのが身のためなんだ、れいむ君」 ガシガシガシガシガシ。壁にこすり付けられたれいむの底部はどんどん擦り切れてゆく。 「ぢね゙え゙え゙え゙え゙え゙!!ゆ゙ぎゃ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」 「死ぬのは君だよ、れいむ君。さあ、壁と思う存分すっきりしまくりたまえ!」 そして耐え切れなくなったれいむの底部は、大根おろしよろしく完全になくなってしまう。 壁を餡子まみれにすると近所の住人から怒られそうなので、この辺で地面に落とし、最後は踏みつけて終了。 残った最後の一匹、妊娠れいむ。 今までの惨状を目の当たりにし、身重の状態で逃げることも出来ず、ただひたすらに涙を流し、震えている。 「れいむ君、人間はとてもゆっくりできないんだ。敵対すると……ね」 「ああああ……あああ……」 「どうするかね?君もああなりたいかね?ん?」 「い゙、い゙や゙でずゔゔぅ゙ぅ゙ぅ゙!!!」 「そうだろうそうだろう。というわけで、君は逃がしてあげよう」 「ほ、ほんとう!?みのがしてくれるの!?」 「うむ。お兄さんは逃がしてあげようと言っているのだよ。それともたまらなく虐殺されたいかね?」 「に゙、に゙げま゙ずゔゔぅ゙」 一目散に逃げようとするれいむの頭を掴み、 「待ちたまえ。まだ話は終わってないのだよ」 ……ぶちぶちっ。 れいむの頭に生えていたツタから実っていた4匹の赤ちゃんのうち、2匹を引き抜く。 「ゆ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!?れ゙い゙ぶの゙あ゙がぢゃ゙ん゙があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」 「私も若い頃は色々と悪いことをして、しっかりと罰を受けてきたんだ。君も学びたまえ」 「ゆ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!あ゙がぢゃ゙ん゙ん゙ん゙ん゙!!」 「それは勉強代だ。さあ、もう二度と人間に近づくんじゃないよ」 恐らく引き抜いた赤ちゃん2匹は先ほど潰したまりさのうち、どちらかとの愛の結晶だろう。 しかし現実は厳しい。 俺も学生時代、身分不相応に強い奴に喧嘩を売ってしまい、フルボッコにされた挙句汚物まみれにされるという屈辱を 味わったことがあるのだ。故に、身をもって覚えさせることを信条にしている。 赤ちゃんを全部取ってしまうと、ぢねぇぇとか言いながら向かってくると思ったので2匹を残した。 そうすれば心の中で俺への恨み節を連ねても、生まれてくる子供のために逃げるという選択肢を選ぶだろう。 ん?ぱちゅりー?ぱちゅりーは特別だ。頭のいい子を殴る必要は無いだろう? 泣き続けながら重い足取りで逃げてゆくれいむを見送り、わたしはぱちゅりーの元へもどる。 まだ弁当は温かかった。 「おまたせ、ぱちゅりー!」 「むきゅ……おにーさん、ちょっとやりすぎよ…」 「うん、年甲斐もなくハッスルしてしまった」 だって昼、全然打てなかったんだもん。 ぱちゅりーは今までの育て方でこういうシーンへの耐性がついているようだ。 野良のぱちゅりーだったら生クリームを噴いて気絶しているだろう。 「むきゅむきゅ、はやくかえっておにいさんとごはんがたべたいわ!」 「よし!急いで帰るか!」 俺はぱちゅりーを抱きかかえ、弁当の入った袋の、持ち手の部分を腕に通すと走り出した。 早く家に帰って、可愛い可愛いぱちゅりーとのディナーターイムだ! ん?れいむから引っこ抜いた赤ちゃんゆっくり? デザートに美味しく頂いたよ。ぱちゅりーと一緒に。 ぱちゅりーが何食わぬ顔で赤ちゃんゆっくりを食べるのに驚いたくらいだ。 さっきは「むきゅ、やりすぎよ…」と言ってたのに……ぱちゅりー、恐ろしい子! こういうミステリアスなところも、ぱちゅりーの可愛らしさの一端を担っているのかもしれないね! ********************************** 終わりです。読んでくださった方々、ありがとうございます。 なんとなく勢いだけで書いてみたくなり、その結果がこれです。 以前書いた「すっきり魔アリスの調査?」で、 「現代社会にゆっくりが群れを形成する」というパターンを持ち込んでおきながら、 作中では「珍しい」なんて書いてますね……おぉ、本末転倒。 次の機会がありましたら、また読んで頂ければ幸いです。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/277.html
331 :名無したんはエロカワイイ:2008/07/31(木) 10 59 58 ID fukPI9hM0 あー、ゆっくりで塊魂プレイしたい . . . . . . . . . . (なーなな ななーなーなーな なーなーななーな ずんずくずずんず どぅんどぅくどぅんどぅん) ---ゆっくりで塊魂--- 「……なんだこりゃあ」 魔法の森の近くをの小道を急ぎ足で歩いていた俺は、目を剥いた。 路上にゆっくりれいむが、ひと群れ。それ自体は珍しくもない。 おかしいのは、そいつらがベタベタとくっつきあって固まっていることだった。 「おまえらナニやってんの?」 「ゆっ、ゆぐぅぅう~」 「わかんないよ、くっついちゃったよ!」 「おにいさん、ゆっくり助けてね!」 バレーボール台のゆっくりれいむに、ピンポン玉ぐらいのやつがうじゃうじゃと八つか九つもくっついている。 たぶん家族だろう。母れいむはしきりに体をもぞつかせて子供たちを振り落とそうとするが、下手に動くと下側 の子れいむを潰してしまいそうなためか、思うように動けないらしい。 「ゆっ! ゆっ! んゅっッ! よーっはッとッ! へっぷほ!」 「おがあざぁぁん、おもいおもい!」 「つぶれるよ、ゆっくりうごかないでね!」 「……ぷっ」 その場で一人相撲をしているようなアホくさい母れいむの姿に、俺はふきだした。 「ぷっははははははは、ばっかじゃねーのおめーら、饅頭のお前らがそんなんなっちゃったら生きていかれねー だろ。ちょっとは考えて生きろよ!」 「そんなこと言わないでねぇぇぇぇ!」 母れいむは涙目でぶくぶく膨れる。ほっぺたの下のやつが潰されて悲鳴を上げる。 あー……。 陽気がすごいからなア。 おおかた家族でゆうゆうもたれあっているうちに、この猛暑で溶けてくっちいちゃったんだろう。 これは俺のせいじゃないからな。ゆっくりが勝手に苦労してるだけだ。 そばで眺めていたって、なんら罪ではない。 俺は、困り果ててぶるんぶるん回っているゆっくりれいむを、しばらく見物した。 ……十分ほどで飽きた。 「しゃーねえなあ、恨まれても寝覚めが悪いから、助けてやるよ」 「ゆっ、ほんとう?」 「さっさと助けてね! ふんふん!」 ナマイキなことをぬかしやがる母れいむを無視して、俺はそいつの頬に触れてやった。 ころん 「あれっ?」 母は後ろへ一回転する。「ゆべっ!」「うぎっ!?」と悲鳴を上げて子供たちがぺちゃんとつぶれ、母の肌に 張り付いた。 「何してんのお前、娘つぶれちゃったじゃん!」 「ゆぐぅぅぅぅ!? れいむの子どもがぁぁぁ!」 「じっとしてろよ、残った娘、殺したくないだろ?」 そう言って俺は、また手を伸ばした。 額に触れる。 ころんころんころん 「ゆぐぐぐぅ!」 母れいむは三回転した。その途中で石やら草やらも貼り付けてなんだか汚くなった。 「あっれぇ……」 俺は不思議に思った。 こいつ、ちょっと触っただけで、ボーリングの玉みたいにスムーズに転がりやがる。 なんか変なことになってんじゃないか……? ゆっぐゆっぐともがいている母れいむに歩み寄って、さらに押した。 ころころ、ごろろんっ 「ゆっぐりやめでねぇぇぇ!?」 「あは」 俺は笑った。 こいつ、坂を上ったぞ? しかも小枝や葉っぱをくっつけてさらに汚くなった。 ……これは面白い。 俺は母れいむの苦情を無視して、道なりにそいつを転がし始めた。 ころころん ころころん ころころころころん 一回押すたびに、五メートルほど転がって路肩で止まる。そのたびにそこら辺のものを吸いつけて、雪だるま のように大きくなる。 子供のころ、石蹴りってやったじゃん。 学校から家まで、これって決めた石をずっと蹴って歩いた。 別に石自体が好きなわけではないが、最初に決めたから、そいつを蹴り飛ばさなければならなかった。 そんな感じで、俺は目的地までひたすらころころと母を転がし始めた。 「やめでぇぇ!」 「ゆっくちちたいよぉぉ!」 おお、まだ子れいむも生きてんのか? 石やなんかでゴマ団子みたいにデコボコになった、五十センチほどの ゆっくり塊の中を覗き込むと、ちょうど他のものの隙間にハマったらしく、小さな赤いリボンの頭がぴょこぴょ こ動いていた。 「おまえ、運が良かったなあ。そこならずっと潰れないよ」 「はやくやめちぇねえぇぇぇ!」 「悪い、まだ二、三キロあるんだ」 母娘一匹ずつの悲鳴をBGMに転がし続けた。 少しいくと、面白いことが起こった。 川沿いに日光浴をしていた白黒のゆっくりまりさ家族。俺たちが近づくと振り向いて挨拶する。 「ゆっくりしていってね!!!」 「していってね!」 「しちぇっちぇね!」 次の瞬間、そばを通ったゆっくり塊に、そいつらは吸い寄せられた。 ひゅうん ぽぽぽぽむっ 「ゆっ!?」 「ゆっくりくっついたよ?」 「ゆっくりはなちてね!! はなちてっ! はなちぇはなちぇー!」 「ほう……」 俺は感心してあごを撫でた。 なるほど。 これではっきりした。ただの自然現象じゃない。母れいむは辺りのものを吸い寄せる力を身につけてしまった らしい。よく見れば外側の石やら木やらは、別段刺さってもいないのにくっついている。 俺がくっつかないのは謎だが、まあそんな細かいことはどうでもいい。 ひとつ、これがどこまで続くか試してみようか。 「よし、みんないっくぞー☆」 「やめでえぇぇぇぇぇぇ!?」 進めば進むほど、塊は大きくなった。道端にいたれいむ家族、木のうろから顔を出したぱちゅりー家族、通り すがりのちぇんやらん、近くを飛んでいたゆっくりゃやフランまで引き寄せた。八十センチ、一メートル、一メ ートル半。ゆっくり塊はどんどん大きくなった。 ひゅうん ぽむっ ひゅうん ぽむっ 「ゆっくりはなしてぇぇ!」 「はっはっは、そりゃ☆無理だ」 意味もなくハイテンションに笑いながら俺は答える。 これ、大きくなっても全然重さが増えない。 ころころと軽いままなのだ。不思議きわまる。 そして楽しい! 鼻歌を歌いながら俺は押して行き、目的地のアリス邸にたどりついた。 「ちわーっす、郵便です」 ああうん、言い忘れていたけど、俺配達人。肩掛けの郵袋も、これこの通り。いまどき徒歩で運ぶなんてレト ロだろう。 「あら、どうもありがとう」 玄関に出てきたアリスさんが微笑んだ。うむ美人だ。美人だらけの幻想郷の中でもこの人は群を抜いている。 いろいろ怪しい噂もあるが、そんなところも俺は好きだ。 そんなアリスさんが、俺の背後の塊を見てギョッとした。 「って、それは何!?」 無理もない。ゆっくり塊の大きさは、今では四メートルを越えている。 「ゆっくりはなしてね!」 「つぶれて顔がいたいよぉぉ!」 「いやっいやああぁぁ、れみり゛ゃぎらいーー!」 「うっうー! れみりゃを早くはなすんだどぉー!?」 数百のゆっくりがてんで勝手に悲鳴を上げている。驚かないほうがどうかしている。 「いやまぁ、なんといいますか、ただの拾いもんです」 俺はあいまいに答えた。 アリスさんは顔を引きつり気味にして、後ずさろうとした。 「な、なんだかわからないけれど、あんまり係わり合いになりたくないわね……きゃあっ!?」 ひゅうん ぽむっ 「おおお?」 俺は驚愕した。アリスさんまで塊に吸い寄せられ、くっついてしまったのだ。 「ちょっと、何するの! 離して、離しなさいよ!」 叫んどる叫んどる。美少女が拘束されて悲鳴を上げとる。 実にいい景色だ。――とか言ってる場合ではないか。 「すみません、それ外れないんですよ」 「なんですって?」 「俺が作ったんじゃないもんですから」 答えながら、俺はあることに気づいていた。 アリスさんのような有名妖怪まで引き付ける力があるのか、この塊は。 ということは―― もしかして、やりたい放題じゃないか!? 「……なーなな ななーなーなーな なーなーななーな ずんずくずずんず どぅんどぅくどぅんどぅん」 「なっ、なにを鼻歌なんか歌ってるの? 早くなんとか――」 「すんません。俺、ハジけます!」 「えっ? ってきゃあああああああ」 すってんころころ すってんころころ すってんころころ すってんころころ 俺は両手を使って勢いよく塊を押し始めた。 霧雨魔理沙、ゲット。 博麗霊夢、ゲット。 紅美鈴、ゲット。 「おいおいなんなんだこれはー! 霊夢、これなんだよ!」 「知らないわよ私だって、アリス、アリスー?」 「私は被害者よー!」 「離して、離してってば! 仕事中なのよ私は、このぉっ……ふんッ!」 「きゃあああああ!」 「ちょっこらっやめっ!」 「気功を使うなぁぁぁ!」 おーおーお、なんかビリビリしてえらい騒ぎになっとる。 そして当然―― 「ゆぎいいぃぃぃぃぃ!」 「いだいよぉおぉぉぉぉ!」 「皮がびりびりするよぉぉ!」 「んおおぉぉっ、んほっ、ほおぉぉぉぉ!」 ゆっくりたちも涙目で大騒ぎしている。中にはキモチよさそうなのもいるが。 ゆっくり魂の直径は六メートルになった。それでも止まらず、俺は幻想郷を駆け巡る。 「むぎゅぅぅ、苦しい……」 「咲夜、咲夜! 早く何とかして!」 「はっはい、ただいまっ! ふッ! ……時間を止めても外れない!?」 「ぴーっ、アタイこんなの趣味じゃないいぃ!」 なんか館の一部ごと飲み込んで、三十メートル。 「らんしゃま助けてぇぇぇ!?」 「ちぇぇぇん! くそっ、紫さま、紫さまぁぁ!?」 なんかよくわからないお屋敷みたいなものを巻き込んで五十メートル。 「うわあぁっ!? ちょっ、ちょっと今実験中よ!?」 「なんだこの……ハッ!」 「あちゃちゃダメです火はやめてください火は!」 「あっれー、これもしかして私が仕掛けたやつか?」 竹やぶと京屋敷みたいなもんをまるごと飲み込んで、百メートルつまり二十五階建てのビルぐらいになった塊 をころんころんと転がしていると、俺の目の前に来た兎耳の女の子が、ほっぺたポリポリかきながら言った。 おお、この人は。 「てゐさんじゃないスか。これ、あんたが?」 「昨日、ゆっくりに、いろんなものがくっついちゃう悪戯をして放り出しといたんだけど……」 「魔法の森の入り口あたりだったら、多分それっす」 「やっぱりかー」 「これ、どうしたら外れるんですか」 「それはねぇ……」 言いかけたとき、ぴゅうと風が吹いて塊がころころと転がった。 あ、あー……てゐさん、上のほうへ行っちゃったよ。 次いつ来るかわからんな。 というか、これがバラバラになったら、なんかただ事ではすまん気がする。 「ゆっくりさせでぇぇぇ!!」 「私もっ、私もゆっくりしたいわよッ!」 「このっ、もう我慢できない――マスタースパーク!」 「ゆぎゅぁぁぁ!」 「あっつぅぅぅこらっ魔理沙魔理沙!」 「ゆっぐぅうぅ、ゆぐぅぅぅぅ!!」 もう人間もゆっくりも関係ない。ひとつに丸まった人と妖怪と饅頭とガラクタの混合物が、もざもざわさわさ と動いて、悲鳴を上げたり、ビームを出したり、弾幕を放ったりしている。 「俺です」なんつったら、殺されるな、これは。 となると――。 「行けるところまで行くか!」 俺はさらにころころころころとゆっくり塊を転がし、幻想郷の森も川も山も湖も突っ切って駆け回った。ゆっ くり塊はどんどんどんどん成長して妖怪とゆっくりと人間を飲み込み、ついには直径一キロを越えててっぺんは 妖怪の山の頂上を越えた。 そのころ、とうとうゆっくり塊は浮上した。上のほうについた天狗やら虫やら何やらが、逃げようとして飛ん だためだろう。 「あー……」 空を飛んでしまったら、もう俺には手が届かない。 俺は若干の寂しさとともに、数ヵ月をともに過ごした巨大なゆっくり塊を見送ったのだった。 「達者でなあ。元気でなあー……」 それ以来、夜空に星がひとつ増えた。 オリオン座のあたりにまぶしく輝く「ゆっくり星」を見るたびに、俺はかつて幻想郷をにぎやかしていた美少 女たちとゆっくりたちを思い起こし、懐かしむのだった。 ====================================================================== YT このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3305.html
書きたかった事 チル裏ログ198の話題から 『全ての虐待作家の虐ゆっくりが同じ世界にいる設定のssがあったらどうなるだろう。 』 というわけで自作のゆっくりを大集合させてみるよ 注意点 もちろん俺設定注意 貨幣価値をおおよそ現代レベルに設定してあります これまで自分が書いたSSに出てきた変わったゆっくりが出てきてます こちらから読んでも問題ないと思います とってつけたような虐待 作者 チェンマガツ うちではゆっくりれいむを飼っている。 ゆっくり屋と呼ばれるゆっくりに関する物をなんでも揃えている店で飼いゆっくり用として売られていたゆっくりを購入したのだ。 最初の頃の苦労を思い出さなければ、れいむとは概ね良好な関係を築けていると思う。 一匹飼い始めると、二匹三匹を数を増やしたくなるのがゆっくりを飼う人の心理だろう。 もちろんゆっくりの性格や行動から一匹でもつらいという人はいるけど。 最近ではれいむも一人では寂しいと言って止まないので、今日はこうしてゆっくり屋に足を運んでいる。 「いらっしゃいませー」 店に入るとと従業員達の明るい声で迎えられた。 店内は中央に様々なゆっくりグッズ、ゆっくりと遊ぶための道具から虐めるための器具まで取りそろえている。 同じ空間にそれぞれが並んでいるところに人間に対するゆっくりの二面性がよく見て取れる。 うちのれいむにも何か買ってやろうかとも思ったが、今日はこっちのスペースよりも店の奥のガラスケースが陳列してあるスペースに用があることを思い出しそちらに向かう。 店に入ってから騒々しい声が聞こえていたのは分かっていたが、ここに近づくと改めて騒がしいと思う。 口々に「ゆっくりしていってね!!」と言っているのはわかるがどいつが言っているのか全く判別付かないほどだ。 ここには様々な種類のゆっくりを取りそろえてある。 ゆっくりの種族はもちろん、赤ゆっくりから成体ゆっくり、はたまた飼い用や餌用と品揃えはかなり多くなっている。 餌用ゆっくりとはいうものの、実際の所はゆっくりを餌として必要なゆっくりを飼っている人は自分で繁殖させていることが多い。 ということはつまりほぼ虐待用ゆっくりということだ。 余談はさておき近くにいた店員を捕まえて新たに購入する飼いゆっくりについて相談することにした。 「すいません、店員さん」 「いらっしゃいませ〜、なんでしょうか?」長い髪を後ろで一つに束ねた清楚な雰囲気の女性の店員だ。 「今うちに一匹れいむを飼ってるんですけど、もう一匹新しく飼うのに良い奴はいませんか?」 「それはお客さん良いタイミングでいらっしゃいましたね!!」 「どういうことです?」 「今日いっぱい変わった子を入手したんですよ。どの子もかわいいんで案内するんで見ていってくださいよ〜」 「それは良かった是非お願いします」 「はい、こちらからどうぞ〜」 店員さんは変わったゆっくりを紹介してくれるようだ。 たしかに新しく飼うのに普通のまりさなんて飼っていても面白味に欠けるのは明白だ。 少し興味が湧いたので店員さんの後を付いていく事にした。 まず店員さんと見て回ったのは赤、子ゆっくりのケースがならんだコーナーだ。 「この子はたぶんすぐ売り切れちゃうと思うんで早い者勝ちですよ〜」 そう言ってガラスケースから出された子ゆっくりはパッと見ただけだとただのゆっくりちぇんだった。 「こいつは普通のちぇんじゃないんですか?」 そう尋ねると店員さんはそのちぇんの顔をこちらに向けてくれた。 「この子の目をよ〜く見てください。ほら、猫の目してるでしょ!」 「おおお、確かに」 目の前に差し出されたちぇんの瞳はどう見ても縦長で普通の猫の目と同じ形だ。 「それに少し話し言葉も変わってるんですよ。ちぇん、ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってにゃー」 「うはあ、かわええ。でもなあ……」 なんだこの破壊的な可愛さは。これは確かに飼いたくなるもとい買いたくなる。 だがしかしこいつを飼い始めると間違いなくれいむはお払い箱だ。 あくまで多頭飼いを目標にしているからそれでは困るんだよなあ。 「ちなみにこいつはいくらなんです?」と恐る恐る聞いてみる。 間違いなく人気商品になるであろう猫目ちぇんだが、せいぜい普通の子ゆっくりの二倍くらいだろうと思っていた。 「この子は15,000円になります」 「なん……だと……」 そこらの子ゆっくりなら300円から高くても3,000円のところを優にその五倍の値段を提示されて驚く。 「人気もあるんですけど、希少価値も含めての値段なのでどうしても高くなっちゃうんですよ〜」 「ぐぐ、それは仕方ない。可愛いけどうちで飼うには可愛すぎて不都合だしな」 「それじゃ、次の子にいきましょうか」 ちぇんはそっとケースに戻される。ちぇんはケースの中でも笑顔でくるくる跳び回っている。 それにしても最後まで可愛らしいやつだったな。 次に案内されたのはケースの棚を背にした位置にあった膝の位置にも届かない低い柵に囲まれたスペースだった。 しかし見たところそこにはぐちゃぐちゃになった毛布しか見当たらない。 「えっと……」 「お〜い、みんなゆっくりしていってね〜」 店員さんはしゃがみ込んで何もいない空間に向かって挨拶をする。 するとどうだ乱雑に置かれていた毛布が動き始めたかと思うとそこからゆっくりらしからぬ速さでゆっくり達が近づいてきた。 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 「うわぁ……」一体この気持ちをどう表現すればいいのだろう。 「気持ち悪いですか?」 「わかります?」 「私は、個人的にですけどとてもかわいいと思うんですけどね〜」 そう言って一番手前にいた変わった形のれいむを持ち上げる。 こいつらの姿をどう形容すればいいのだろうか。丁度麦わら帽子の丸い部分がそっくりゆっくりの顔に置き換わったようだ。 その帽子のつばの部分がうねうねと動いている。 「この子達はですね。跳ねなくなった代わりに速く這うようになったゆっくり達なんですよ〜」 にこやかに説明してくれる店員さんには悪いが、正直こいつらは飼いたくないな。 「ちょっと柵を作ってやれば動けなくなるんで飼いやすいですよ?」 「でもこいつと普通のれいむとじゃめちゃくちゃ相性が悪いですよね」 「そういえばそうですね〜。きっとゆっくりしてよーってなっちゃいますね〜」 こいつらの速さならきっときめえ丸との相性は抜群だろう。 だが如何せん気持ち悪い。 「ちなみにこの子れいむは4,500円、そこの赤まりさは200円になります〜」 まあおそらく飼う事はないだろう。 ふと隣のケージを見てみるとこちらの様子とは全く真逆の様相を呈していた。 過剰なまでに高い柵によりすでに檻のようになっているケージの中に子ゆっくり達が眠っていた。 「やっぱり気になっちゃいますよね〜」 こちらの心を読んだように店員さんが話しかけてきた。 「そちらで寝ているゆっくり達も新しく入荷した変わったゆっくり達なんですよ〜」 とはいうものの見た目では普通のゆっくりと変わらないゆっくり達にこの柵は必要なんだろうか。 「そしたら起こしてみましょうか。ゆっくりしていってね〜」 「「「「ゆゆゆゆ」」」」すると次第に中にいたゆっくり達が目覚め始める 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 「ここまでは普通のゆっくりですね」 「ええ、そしたらこの子達の特徴を直に見て貰いましょうか」 そう言って店員さんがポケットから棒状のゆっくりフードを取り出した。 そしてそれを腰の高さの位置で柵に固定した。 「ほらご飯だよ〜」 しかしその位置では子ゆっくりにはどうやっても食べる事は出来ない。 飛んでも、跳ねても、舌を延ばしても無理だろう。 ところが目の前の子ゆっくりまりさは一度のジャンプで膝くらいまで跳躍し、着地するとゴムボールのように跳ねてゆっくりフードにかじりついた。 「この子達はさっきの子達と逆にものすごく跳ねるんですよ」 なるほど見てみれば赤まりさも赤れいむも跳ねるたびにその高さを増していっている。 「それにこの子達は衝撃に強いから不意の事故にも強いんですよ〜」 店員さんはケージを開いて、高く飛んでいた一匹の赤まりさに思いっきりデコピンをしてみせた。 普通の赤ゆっくりなら間違いなく致命傷になるレベルの攻撃だ。 いきなりデコピンされたその赤まりさはケージ中をスーパーボールのように跳ね転がった。 「どうじでぞんなごどしゅるのー」 「調子に乗って高く跳ねてたらゆっくりできなくなるって何度も言ったでしょ、めっ」 確かに少々高いところから落ちても平気になったが、高くなりすぎるとやはり死んでしまうくらいのダメージを受けるのだ。 「自滅してたんじゃ世話無いですね……」 「だけど大人になれば家の中じゃ死ぬ要素はほぼなくなりますよ〜」 「それなら飼いやすいかもしれないなあ。この子達はいくらなんです?」 一応買う候補に入れるために値段を店員さんに聞いてみた。 「子ゆっくりなら3,000円で赤ゆっくりで200円です〜」 「それなりの値段か。こいつは候補に入れておこうかな」 「よろしくお願いしますね〜」 「あのちなみにこの赤、子ゆっくりのコーナーで一番高いゆっくりはどいつになるんです?」 「それならあの子しかいませんね〜。見てみますか?」 「絶対買わないだろうけど興味はあるからね」 「ではこちらにどうぞ〜」 連れてこられたのは再びゆっくりが入っているガラスケースが陳列してあるスペースだ。見るからにゴージャスな内装で高級感を醸し出しているケースのなかにそいつはいた。 「生まれたての赤ぱちゅりー……ってゴールドバッジをしているじゃないか」 「生まれながらにして優良ゆっくりに認定された卵生ゆっくり五代目のぱちゅりーです」 何年も人間と一緒に過ごして飼い主とゆっくりがとてつもない苦労をしても簡単には得ることができないゴールドバッジを小さい帽子に光らせながら赤ぱちゅりーは静かにこちらを見ている。 「一人称をわたしに変えることもできます。もちろん呼び名を変えても適応できます。 簡単な漢字くらいまでなら記憶できるそうです。健康状態に至っては言わずもがなとても良好なゆっくりぱちゅりーです。」 店員さんが人間関係のルール云々に触れない辺り、当然ルールは守るということなのだろう。 きっと様々な芸も覚える事だろう。いよいよ末恐ろしい赤ぱちゅりーだ。 「ちなみにいくらです?」おそるおそる聞いてみた。 「十万円になります」 「赤ゆっくりが十万……」 通常の飼い赤ゆっくりが50〜100円で販売されているのを考えればとんでもない金額だ。 「遠慮しておきます」 「わかりました〜」 「このコーナーでは変わったゆっくりはこれくらいですか?」 「そうですね〜。あとは大人ゆっくりのコーナーに三体ほどいますのでそちらも見てみますか?」 「あ、よろしくお願いします」 というような会話をしながら二人で成体ゆっくりのコーナーにやってきた。ここにはガラスケースに納められたゆっくりはおらず、すべてケージに入っている。 よくよく考えたら今更面倒なしつけをするくらいなら成体のゆっくりを買った方がいい。 まあしつけされた分値段が上がっているだろうがあの苦労と比べればどっこいどっこいより値段のほうが勝る。 それにうちのれいむはもう成体なわけだし、番になるようなゆっくりを連れて帰った方が喜ぶかも知れないな。 しかし最初に紹介されたゆっくりはどう見てもありえないゆっくりだ。 「その名もプチドスまりさです。ドスとは名前がついてますがこれ以上は大きくなりません。あとただのでぶまりさとも違います」 目の前にいるのは体長でうちのれいむの二倍くらいあるだろうか。体積ならざっと八倍ある計算になる。 「巨大に変異したわけではなく、ドスになるプロセスの解明によるドスの縮小化と思って貰うとちょうどいいかもしれません。頭も結構良いですよ?」 「しかし普通に家の中で飼うにはでかすぎるな」 「そうかもしれませんね〜。それにただ飼うというよりは闘ゆっくり向けのゆっくりですので」 なるほどと思う。重量級の体当たりをメインとした戦い方をするゆっくりに育てたりするのだろうな。 「それにこの大きさじゃ餌が大変でしょ」 「それがネックなんですよね〜。通常の五倍から十倍は必要と考えてもらわなくちゃいけません」 それ故あまり買い手も付かないのだろう。 仕入れたばっかりのくせに帽子に付けられた値札には五万円の数字に横線で修正され、五割引と書かれ、値頃感を出された価格設定になっている。 「たぶんこの子自体は繁殖用に使われるんでしょうね。ささ、次を見てみましょ〜」 プチドスまりさの説明は簡単に終了した。 次に見たのはこれまたパッと見るとただの成体まりさだ。 「こいつはきちんと教育しているまりさとか芸達者なまりさですか?」 「う〜ん、そういった普通のまりさではないんですよ〜」 ちょっと実演してみますねといって店員さんはケージの柵を跨いで入り、まりさに近づいていった。 「おい雌豚ぁ!!」 何事だ店員さん。いきなりのことに目が丸くなった。 さっきまで笑顔を振りまいていたのを急変させまりさを蹴り上げながらさらに罵る。 「なんでゆっくりしてんだよ。豚は豚らしくブヒブヒ言いながら動き回ってろ!!」 「ゆゆっ、もっと蹴ってぶひー」 「主人に命令するったあどういう神経してんだ!!」 ドゴォッという効果音が付きそうなほどの店員さんのすばらしいローキック。 まりさを宙に浮かすことなく衝撃をすべてまりさに蓄積させる技術には舌を巻くしかない。 「ぶひーぶひー」まりさは涙を流しながらも幸せそうな顔をしている。 「これはひどい」 率直な感想だがまりさはそれにも反応して喜んでいる。 「というようなゆっくりまりさです。ドMまりさってところですかね」 「教育というより調教しちゃったわけですね」 「そういうことです。この子に普通に接したら虐待になっちゃうんで心を鬼にしてやらないとダメなんですよ〜」 それもそれだがと思いつつ需要はあるんだろうなと値札の三万円を見て思う。 「子ゆっくりの躾け用に駄目な事をした本人にはこのまりさを痛めつける様子を見せつけるという飼い方もできますよ〜」 「うちのれいむがまだ子供なら良かったけどもう成体だしなあ。これも遠慮しとこう」 「それでは次のゆっくりを見てみましょうか」 やはり成体ゆっくりは色物が多すぎて購入するとなると度胸がいるな。 れいむの相方がゴムボール子まりさで決まりかけていたときとんだ伏兵が現れた。 「ゆっくりしてるかしらありす〜」 「ゆっくりしてるんだぜ!!」 「だぜ?」 店員さんが呼びかけたのはゆっくりありすのはずだが返ってきたのはまりさの言葉だった。 挨拶のしたほうを見やるとそこにいたのはやはりありすだった。 「どうなってるんですこれ」 「どんどん話しかけて上げるといいですよ。言葉が面白い子なんで」 「ありすをほめてもなにもでないんだぜ」 「本人はありす、だけど語尾はだぜ。こういう風に教育したんですか?」 「いえ、まりさとありすの体を横に真っ二つにして上下を入れ替えた改造種のゆっくりなんですよ〜」 「見たところ上半分がありすで下半分がまりさですか」 「そうなんですよ〜」 「ゆゆっおねえさん、ありすのかみをきれいきれいしてほしいんだぜ」 「はいはい」 店員さんはポケットから櫛を取り出しありすの髪を梳いてやった。 「この子は最近流行始めた『だぜありす』なんですよ〜。性格はありすで口癖がまりさなんです。 綺麗好きでまりさが使うような汚い言葉を好みません。さらに『とかいは』という言葉はありすの口癖なのかこの子は使いません。 またまりさ並の運動能力があるので両方の良いところを合わせたゆっくりと言えますね〜。」 「おにいさんもありすがきにいったならさわらしてあげないこともないんだぜ」 「ツンデレはありすの性格なのでどうしようもないですが」と店員さんは苦笑いをする。 こいつなら飼うにしてもうちのれいむと相性がいいかもしれない。 少なくとも今までのゆっくりと比べればの話だが。 カチューシャに付けられた値札を見てみるとなんと一万円と破格な値段だ。 その気になれば自宅でも作る事ができるのでこの価格になってしまうというのは店員さんの言葉だ。 ただしこの店ではそれなりにいいありすとまりさを使っているので野良のゆっくりで組み合わせたものより品質はいいそうだ。 「なあありす、うちにれいむがいるんだが友達になってやってくれないか」 「ゆゆっ、ありすにぴったりなれいむならいってあげないこともないんだぜ」 「ああきっと気に入ると思うぞ」 「お客さんこの子にいたしますか〜」 「そうだなあ。なかなか変わったゆっくりだし、れいむと一緒に飼えそうだからこいつにするよ」 ありすにれいむを拒否する様子がなければそれでいい。 あっさりと『だぜありす』の購入が決まった。 うちに新しいゆっくりを連れて帰るとさっそく二匹は意気投合し始めた。 互いに美ゆっくり同士だから仲良くなるのも早いのだろう。 最初はれいむはだぜありすの言葉遣いに慣れてなかったが性格や振る舞いの良さを見つけると気に入ったようだ。 発育も良く、餌もふんだんにあり、捕食種に追われない生活を送る仲の良いゆっくり達が次第に愛し合うのは自然な流れだ。 しかし出会って二日目で事に及ぶのはどうかと思うが寛大な気持ちでれいむとだぜありすのすっきりーを見守った。 どうやらにんっしんっしたのはれいむの方で目を潤ませながら喜んでいる。 心配されたありすのれいぱー化も全く変身することはなかった。 どうやられいぱー化はありすの下半身側の問題だったらしい。下半身がまりさのだぜありすには関係ない話なのだ。 「ゆゆっ、ゆっくりできるあかちゃんになってね!!」 「ありすとれいむのこどもだからきっとゆっくりできるんだぜ」 「ありす……」 「れいむ……」 そういってちゅっちゅする二匹。おお、うざいうざい。 にんっしんっは植物型だったためれいむの頭の上で目と口だけの赤ゆっくり達が六匹静かに揺れていた。 れいむのにんっしんっから一週間経った頃問題が発生した。 「どぼじであでぃずのごどもがいないんだぜえええええ」 「なんでばでぃざができでるのおおおおお」 れいむにできた六匹の子供のうち三匹はれいむ種だが、もう三匹はどうみても黒い帽子を被ったまりさ種である。 そうなのだ、だぜありすの下半身はあくまでまりさであり、れいむはまりさの子供をにんっしんっしたのと何らかわらない。 そこそこ頭の良い二匹のため、れいむに出来た子供は二匹の子供であると認識しているし、感情的になって子供や母体を攻撃する事もない。 しかし二匹にとって、特にだぜありすにとっては悲劇である。 「まあそう気を落とすなよありす。かわいい子供じゃないか」 「うわ゛ーん、ありずのあかぢゃんはどごだぜええええ」 「今回は諦めな? もう少し時間が経てばお前の中身が混ざってありすの子供もできるかもな」 いくら慰めてもだぜありすはさめざめと泣くしかなかった。 まったくどう飼っていてもそこら中に悲劇しかない動物だなと改めておもった。 あとがき 走り書き万歳。勢いって大事だよね。勢いしかないけどなSSです。 自分の作品には変なゆっくりが多すぎる事が判明しました。 どうみても既存の設定を生かしきれていません本当に(ry ゆっくり達の値段は観賞魚ベースでこれくらいかなーなんて考えてみました。 血統という概念があればもっと高くなるようなきもする。 気になったゆっくり達はどうか手にとって遊んであげてください。 そうするととてもよろこびます。おもに作者が(*´∀`) 今まで書いたSS ちぇんと猫 (猫目ちぇん) ちぇんと死に至る病 (卵生ぱちゅりー) ちぇんとタチ おれがあいつで (だぜありす) ちぇんと幸福論 そういうプレイ (ドMまりさ) ゆっくりでさっぱり (ゴムボールゆっくり) ゆっくりガラパゴス的退化(はぐれゆっくり) 高純度まりさ(プチドスまりさ) 以上のゆっくりの提供でお送りしました。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4477.html
※一部東方以外のパロディです ※独自の設定があります ※虐待成分がおまけに過ぎません ※同じタイトル等あったらごめんなさい 「おまえは この おせろっとが もらう!」 崖を挟んで睨み合う俺と奴…。 待ち伏せの上、周囲を大人数で囲み、威嚇射撃でご挨拶、前には不意討ちもあったな…。 どう考えても正々堂々とは言えない一騎討ちが始まった…。 俺は以前、美ゆっくり探しを行った地に再び訪れた。 謎の爆発によって壊滅した村の調査と、もう一つの密命の為に…。 村を襲ったゆっくり達は、一部を残してまた別の村を襲う準備の為に拠点へ戻っていた。 現地を訪れた俺を待っていたのは、熱烈なゆっくりコールだった。 …と言っても、その先に続くのは消えろだの帰れだのという悪意ある言葉だったが…。 加工所からの情報で、現地にゆっくりの群れの中にスパイがいる事が判明し、 合流の為壊滅した村近くの小屋の跡地へ向かった。 そこで何を言ってるのか良く分からない赤髪緑帽子のゆっくりと出合った。 状況と態度から察するにこいつがスパイだろう。 めーりん種でまともに話せないのにスパイだと…? どなたか“ゆっくリンガル”ください、一昔前に流行った翻訳機です。 一夜明けて、俺達は以前にも戦った事のあるゆっくり達に囲まれていた。 種族の飾り以外に赤い帽子を被ったちょっと強めのゆっくり達だ。 流石ゆっくりだ、何匹潰しても幾らでも湧いてきやがる。 その姿を見るなりスパイは一目散に逃げ出して、俺に全部押し付けやがった。 次遭ったら遠慮なく潰すか…。 勿論、赤帽子共は軽く捻ってやった。 壊滅した村の調査は直ぐに終わった。 …というのも、全て跡形も無く吹き飛んでいたからだ。 一体何があったのだろうか…? ゆっくりの群れは少数を各地に派遣し、そこを拠点として防衛している。 野生のゆっくりが考えたにしては良く出来た作戦だ。 惜しむらくはゆっくりであるという事だけだろう。 虫を追いかけたり、手近な奴と交尾していたりと全く防衛していない。 後ろに忍び寄ってみたりしたのだが全く気付かない。 余りに馬鹿らしいので全員爆破しておいた。 そして、切り立った崖に達した所で奴と再び出遭った。 村近くの小屋でのスパイとの合流時の赤帽子の襲撃時にいた奴らの親玉だ。 以前の戦いで弾幕が薄いと指摘したやったのだが、今度は武器を変えてきやがったか。 また出て来るのは簡単に予想出来るから、次は嘘吐いて弱体化させてみよう…。 さて、あの自称山猫の式神猫モドキに格の違いを“わからせて”やるとするか…。 「…とまぁ、昨日こんな感じの小説読んだんだけどだけど…」 「あっそ、暑苦しいから話しかけないで」 「おいおい、だったらそんな冷たい態度取らないでくれよ…。 これで扇いでやるからさ…」 「ありがとう、いいセンスね」 【俺と彼女とゆっくりと】 ~ゆっくりいーたーさくせん編・序の口~ さて、今日も今日とて彼女の憐れな奴隷である俺は、野山を駆け巡っていた…。 誤解を防ぐ為に言っておくが、これでも一応彼女とは恋人関係なんだぞ! 恋人関係なんだ! 恋人関係だと思う…! 恋人関係なんだけどなぁ…。 「♪ゆっく~り~ 追~いし~ 彼~の~山~」 そんな事を歌いながら歩く俺の、今回の任務は“美ゆっくり”の追加補充。 前回彼女が“つい、やってしまった”ので、新しい個体を探さなくてはならないのだ。 「♪ゆっく~り~ 釣~りし~ 彼~の~川~」 ストレスでおかしくなった訳ではない。 目の前の川の上にゆっくりがいるのだ。 ゆっくりというのは本が饅頭である為、非常に水に弱いのだが、 その飾りは饅頭ではない為、物によっては水に耐性を持っている事がある。 特に、大きな帽子を被っているまりさ種は、時に帽子を逆さまに川に浮かべて、 枝をオールの様に使って川を渡る事もあるというのだから驚きだ。 実際に見たのは今日が初めてだが、なるほど大したものである。 「あまあまさん、ゆっくりまってね! まりさにたべられていってね!」 暇潰しとストレス解消を兼ねて、そのまりさで遊んでいるのだ。 捕獲網(今回は持って来た)の先に糸、その端に駄菓子を括り付けて垂らす。 口の近くに持っていっては食い付く前に離し、また近づけては離す。 「ゆぅううう! あまあまさん、もっとゆっくりしていってね!」 焦らされに焦らされて、遂に駄菓子に対して怒り出すまりさ。 駄菓子だけに可笑しな話ではあるが、俺からすれば共食いにしか思えないがな。 「ゆっ! あとちょっとでとどきそうだよ! ゆぅ~ん!!」 飽きてきたので届くか届かないかのギリギリの位置に餌を固定する。 まりさが軽く一跳びすれば簡単に取れる位置だ。 多少は気晴らしになったから、褒美として食わせてやろうとした。 「ゆっくりたべるよ!」 あっ、跳ねた。 「ゆごぼぼぼっ! どうしてまりさがおぼれてるのぉおおおっ!!?」 あっ、溺れた。 残念、あまあまはお預けだな。 「さて、美ゆっくり探しを再開するか…」 俺は立ち上がると、再び山の中へと入っていった。 暫く探し回っていたが、一向に美ゆっくりと呼べる代物は見つからなかった。 気が付けば日は高く昇り、昼食を摂る時刻になっていた。 ここで取り出したるは彼女の手作り弁当! …といけば嬉しいのだが、非常に残念な事に彼女の料理の腕は俺以上に残念である。 泣く泣く自分で作った弁当を広げる事にする。 今日の献立はシンプルに握り飯と漬物と玉子焼きと。 自慢じゃないがこのメニューに関しては並大抵の奴に負けない自身がある。 それしか作れないので極めてしまったとも言うがな! そもそも一人の期間が長く、やっと出来た彼女がアレでは…。 あれ、おかしいな…? このオニギリ、塩入れてないのに何だか塩辛いや…。 一つ目を食べ終え、さて二つ目というところで、背後から大きな気配がした。 不審に思って振り返ると、いつかのドスまりさではないか! 「おにいさん、どうしてもどってきたの…?」 「ドス…!」 因縁の相手ではあるが、迂闊に攻撃する訳にはいかない。 以前このドスと戦った時、邪魔が入ったとはいえ、俺はこいつに負けたのだ。 俺は舌で絡め取られるのを警戒して、距離を取り身構えていた。 「またむれのなかまをつかまえたんだね。 ゆっくりしないでかえしてもらうよ!」 食後のデザートにしようと思って一匹捕まえていたのが拙かったらしい。 しかし、一体どうやって嗅ぎ付けて来るのだか…。 「この前は不覚を取ったが、今回はそうはいかないぜ! お前と出遭った時の為に銃を用意させてもらった!」 知り合いの猟師から猟銃を譲り受け、持ち運びし易いように銃身を短くしてある。 威力は劣るが、軽くて持ち運びが容易で、扱いやすいのが特徴だ。 河童に頼んで作ってもらった甲斐があるというものだ。 「そんなものでまりさをたおせるとでも…?」 「確かに、倒すのは無理だろうな? でも、対抗手段としては十分だぜ!」 ドスまりさを倒す場合、その分厚い皮を打ち抜く為に、数発の銃弾を要する。 一般的な対処法として罠で足止めしての一斉射撃があるが、 この小銃ではそこまでの威力は無いし、何より弾が無い。 だが、足に撃ち込んでやれば動きは大幅に制限できる。 その間に俺はゆっくり逃げ出せば良いのだ。 「はやくなかまをおいてにげたほうがいいとおもうけど…?」 「はっ! 言われなくてもスタコラサッサだぜ!」 発砲! …とは言え、威嚇射撃的なものだ。 「うおっ、まぶしっ!」 火薬の量を間違えたか? 銃口から閃光が放たれ、目が眩んで狙いを外してしまった。 その隙にドスの接近を許してしまい、その舌で俺は捕らえられた。 直ぐに離れようともがくが、ドスはそのまま俺の腕を捻り上げていく。 「ぐおぁああ…っ!」 指の力が緩んだ隙に、手から銃を奪い、器用に分解して銃を捨てるドス。 その為、舌の拘束から逃れる事は出来たが、痛みで右腕が思う様に動かせなくなった。 「うではもうなおっていたんだね」 「こっ、このやろぉおおおっ!!」 頭にきた俺は回し蹴りを仕掛けるが、ドスの分厚い皮には余り効果が無く、 逆に俺が弾き飛ばされてしまった。 体制を崩した俺をドスは再び拘束し、俺から荷物を取り上げていく。 「ぶきもそうびもうばわれて、どうやってたたかうの?」 「くっ、くそ…っ!!」 デザートのゆっくりを奪われてしまった。 そして、事もあろうにドスは俺の荷物を崖から放り投げてしまった。 「あっ、てめぇ俺の荷物を! …というか昼飯をっ!!」 「これにこりたら、ゆっくりしないでおうちにかえってね!」 それだけ言うと、ドスは俺を地面に叩きつけて去って行った…。 「うぉおおおっ! 俺の昼飯を返せぇえええええっ!!」 体は痛いわ、腹は減るわで散々である。 「許さん、絶対に許さんぞ、ドスゥウウウッ! 食い物の恨みは恐ろしいという事を思い知らせてやるっ!!」 俺はドスに復讐を誓ったのだった! 「それで、泣いて帰ってきた訳ね」 「違うって言ってるでしょぉおおおおっ!!?」 泣いてなんか無いやい! これは心の汗だい!! 「それより、さっきの話から想像するより、随分怪我が酷いみたいだけど?」 「あー、それはですね…」 あの後、転がり落ちていく昼飯を追って俺は崖を降りていった。 その途中、包みから握り飯が零れ落ち、途中の坂に開いた穴に落ち込んだのだ。 「これはアレですよ! 中を覗くと、腹をすかせたゆっくりがその握り飯を食っていて、 お礼に金銀財宝ザックザクという…!」 「それで、何で怪我をするの?」 「穴の中を覗きに行って、足を滑らせて崖から落ちました」 「あなた、ドスに殴られ過ぎて餡子脳になったんじゃない?」 「どぼじでぞんな事言うのぉおおおおおっ!!?」 「そんな事より、結局美ゆっくりの捕獲は出来なかったのね」 「うぅ…、はい…、その通りです…」 「素麺かぁ…、私は耐えられないわね…」 (俺の給与査定の事かぁあああっ!!?) 「まぁ、いいわ。 一匹はこっちで用意出来たから」 「へ? 俺以外に誰かに捕りに行かせたのか?」 「いいえ、前回美ゆっくりれいむの遺伝子を採取したのを覚えている?」 「ああ、お前が暴走して餡子を抜きまくった…」 「余計な事は…、言わない方が…、身の為よ…?」 「はい、すいませんでした!」 冷たい視線に射殺されるところだったぜ! 「あのー、それがどう関係しているんでしょうか?」 「ゆっくりには遺伝子があると説明したわね。 遺伝子があるならば、その複製も出来るという事よ」 「ま…っ、まさか、ゆっくりのクローン!?」 「その、まさかよ。 実験は成功したわ、失敗も多かったけどね」 「どうやって複製したのか全く想像がつかないんだが…」 「永遠亭との共同開発よ、詳細は極秘だけどね」 「それで、そいつらはどこに?」 「私の実験室にいるわよ、良かったら見に来る?」 「ああ、そうしよう」 彼女の実験室に着いた。 実験の為の各種高級器具が揃っている。 加工所の施設内にこうして自分の研究室が持てるのだ。 彼女の実力と地位の高さが伺えるというものである。 「ゆっくりしていってね!」 「ほー、これがそのクローンゆっくりか…。 やっぱり違いが分からんけど」 「オリジナルと全く同じ遺伝子で構成されているわ。 これでいつでも復元出来るようになったわ」 「それで、こいつをどうするんだ?」 「本来なら遺伝子の詳しい解析を行うところなんだけど、 一匹だけでは比較研究できないわね。 これはれいむ種だから、他の種類の美ゆっくりもほしいところだわ」 「また俺が捕りに行くのか…?」 「あなたには期待できないから、誰か他の人に任せるわ」 「そうですねー」 後日、まりさ種やありす種等の主だった美ゆっくりが集められ、 彼女は嬉々として研究に励んでいた。 その間、俺は専らドス退治に励んでいたのは言うまでも無い。 「面白い実験結果が出たわよ」 「うわぁ、全部同じ顔に見える…」 「多数の美ゆっくりと呼ばれる個体を集め、それぞれに共通する特徴と遺伝子を比較し、 一体どの部分が美しさに影響するのかを調べてみたわ」 「その結果が大量の出来損ないですか…」 「遺伝子に異変が生じたみたいね。 貝殻を被ったまりさ種も生まれたわよ」 「突然変異しすぎだろう…」 「でも、苦労の甲斐あって、究極の美ゆっくりを生み出す事が出来たわ! 今から野外区画でお披露目を行うわよ」 さっきから気になっていたのだが、机の上に布を被せた箱が置いてある。 彼女は俺にそれを持たせて(結構重い)、早々と野外区画へ行ってしまった。 野外区画には、比較的自然に近い環境下でゆっくりの生態を研究している場所がある。 彼女はそこの放牧場で美ゆっくりを放し、周囲の反応を見るつもりだ。 「遅いわよ! さっさと美ゆっくりを出しなさい!」 「はいはい、了解です」 箱から美ゆっくりを放り出す。 何となく手触りが心地良かった。 「ゆっ? とってもきれいなれいむがいるよ!」 「ほんとうだよ! いままでにみたことないよ!」 その瞬間、周囲のゆっくりに動揺が走った。 「今回は試験的にれいむ種の美ゆっくりを作ってみたわ」 「さて、こいつらの反応は…」 「ゆぅうう!? ゆきゅ~ん…」 何という事だろうか! 見ただけで失神する奴がいた! 「文字通り目も眩む様な美しさって事よ」 「それって比喩表現じゃなかったか!?」 「ゆぅっくりぃ、していってねぇ!」 美ゆっくりが、ゆっくりと挨拶をした。 信じられない事だが俺にとっても心地良く聞こえた。 「ゆっ、ゆゆゆゆゆっ!? うっとり~!!」 その声を聞いて、何匹かのゆっくりは虚空を見つめて不気味な笑みを浮かべている。 どうやら、美ゆっくりの声に夢現の状態らしい。 「ゆっくりは人間に近い言語で鳴くけれど、それは人間に近い声帯をしているからなの。 だから、美ゆっくりは人間に近い発声を可能とするの。 …と言っても、主に小麦と小豆で出来ているのは変わらないけどね」 「声でワイングラスを割れそうな位良い声してるぞ!?」 美ゆっくりが近くのゆっくりににっこりと微笑みかけた。 「きらっ☆」 「ずぎゅううううん!」 「おい、謎の奇声を上げて吹き飛んだ奴がいるぞ」 「どうやら視線に射抜かれたみたいね」 「何か雷にでも打たれたかの様に痙攣してるぞ」 「君の瞳は百万ボルトって事ね」 突然一匹のゆっくりが前に出て、美ゆっくりにすりすりを求めた。 「す、すすすすす、すりすりしようね! いや、させていただけませんか!?」 「おい、今野良ゆっくりが敬語使ったぞ」 「美ゆっくりに高貴なる気品を感じとった様ね」 「いいわよぅ、す~りす~りぃ」 「す、すーりすーり!」 野良ゆっくりが美ゆっくりとすりすりしている。 だが、ものの数回も擦り合わせない内に…。 「へっ、へぶんじょうたい!!」 虹色の光をバックに恍惚とした表情で固まってしまった。 「そのまま昇天しそうな勢いだな」 「こんな感じのシステムでゲームを作ったら売れるかしらね?」 このれいむ、確かに美ゆっくりであった。 この俺の目から見ても、もっちりしっとりとしたハリのある肌、 しなやかで瑞々しい艶のある髪、すっきりきっちりと整った顔立ち、 透き通った水晶の様な輝く瞳にオペラ歌手に勝るとも劣らない声質と、 凡そ思い付く限りの美しさを詰め込んだかの様な容姿に、 その美しさに比例するかの如く、優雅な雰囲気と立ち居振る舞いだ。 はっきり言って、人間でもここまで周囲を引き付ける奴はいないのではないだろうか? 「んっ、んほぉおおおおお! れいむぅうう!! とかいはのありすとすっきりしましょうねぇえええええ!!!」 その美ゆっくりの美しさに理性が吹き飛び、暴走したありすが襲い掛かっていった。 だが、俺が助けるまでもなく、ありすは一瞬で撃退されてしまった。 「われらのれいむさまにてをだすなあっ!」 「ゆげぇええええ!!?」 いつの間にか美ゆっくりに親衛隊が出来ており、通常では在りえない言葉まで使っている。 その上暴走したありすを集団で返り討ちにしてしまった。 「みんなぁ、ありがとうねぇ」 「ゆぉおおおおおおっ! れいむさまっ、れいむさまぁあああああっ!!」 あれ? ゆっくりってこんな生物だったっけ? 「おい、何だか大変な事になってきたぞ」 「やっぱりね…」 「はぁ? 何がだ?」 「……………。 どうして、自然界に美ゆっくりが少ないか分かるかしら…?」 「んー、人間でも美人が少ないように、全体的に割合が低いからか?」 「違うわ。 美形個体ならば子孫を残す上で有利でしょう? だったら、当然数も増え易いわよね?」 「じゃあ、目立つからありす種みたいな奴等に狙われて減り易いとか?」 「それはあるでしょうね。 でも、本当の理由は別にあるわ」 彼女は美ゆっくりの方を、どこか遠い目で見ながら言葉を続けた。 「美ゆっくりを美ゆっくり足らしめる根幹、 美形遺伝子には二つの特徴があるの…」 美ゆっくりは野良ゆっくり達の前で美声を披露している。 「一つは劣性遺伝である事…。 繁栄に有利な筈の遺伝が、子孫に発現し難いのよ」 美ゆっくりは野良ゆっくり達の前でゆっくりと踊りを披露している。 「そして、もう一つ…。 美形遺伝子は致死因子でもあるの。 今回は致死性の抑制に成功したけれど、自然状態では大抵が発生段階で死に至るわ」 遊びつかれたのか、美ゆっくりは眠りだしてしまった。 「あの美ゆっくりも、寿命はかなり短いでしょうね。 その一瞬の生に全てを懸けて光り輝く…」 「……………」 「美人薄命という事かしら。 私みたいに…」 「お前、実はそれが言いたかっただけだろ」 彼女に首を絞められて意識が遠のいていた様だ。 気が付くと、日が山に沈もうとしていた。 「あら、漸くお目覚め? あなたが眠っている間に、何だか面白い事になったわよ」 その言葉に周囲を見渡すと、そこは凄惨たる有様だった。 辺り地面の野原は餡子で真っ黒に染まり、所々に飾りと思しき物が飛び散っている。 そして、その中心に美ゆっくりと二匹の野良ゆっくりがいた。 「しぶといありすなんだぜ! さっさとくたばるんだぜ!!」 「ほんとうにいなかもののまりさね! とかいはのあいのまえにちるがいいわ!!」 「もうやめてぇ! れいむのためにあらそわないでぇ!!」 「えーと、これは一体何のコントですか?」 「ありすの暴走を契機に、美ゆっくりを巡っての争奪戦が始まったのよ」 「何で途中で止めないんだ!?」 「どのゆっくりが美ゆっくりを勝ち取るのか面白そうだったから。 ねぇ、折角起きたんだし、どっちが勝つか賭けでもしない? まりさが勝ったらあなたが私に指輪を買う、 ありすが勝ったら私があなたに宝石を買わせてあげる」 「それ、どっちに転んでも俺が損して無いか!?」 そんな事を言い合っている内に、争いに決着が付いた様だ。 「ゆぉおおおおお!!!」 「ゆわぁああああ!!!」 饅頭と饅頭がぶつかり合う激しい音が響き、静寂が訪れる。 二匹はそのまま暫く硬直していたが、ふらりと同時に倒れ込んだ。 「これは…、どっちが勝ったんだ!?」 「指輪、宝石、指輪、宝石、指輪、宝石…!」 倒れたまりさとありす、そのどちらからともなく、口元に微かな笑みを浮かべる。 「おまえ、けっこうやるんだぜ…」 「あなたもとかいはなところがあるわね…」 二匹は夕暮れの野原に寝そべり、沈みかけた夕日を見上げながら笑い出す。 「まりさはまりさっていうんだぜ…。 おまえはなんていんだぜ…?」 「ありすはありすっていうのよ…。 とかいはなまえでしょ…?」 二匹はゆっくりと見つめ合い、体を寄せ合いながら起き上がる。 「きにいったんだぜ! おまえをまりささまのともだちにしてやるんだぜ!」 「ふ、ふん! とくべつにあなたのともだちになってあげてもいいわよ!」 二匹の間に奇妙な友情が生まれた様だ。 拳(?)で語り合ってこそ、真の友情が生まれるというものだ。 「ふたりともぅ! ようやくわかってくれたんだねぇ!」 美れいむが二匹の傍に駆け寄ってくる。 喧嘩が漸く収まったので、目に涙を浮かべて喜んでいる。 「れいむ…?」 「れいむ!」 「もうけんかはやめてねぇ! れいむはみんなのれいむなんだからぁ!」 「ああ、たしかにそうなんだぜ…」 「みにくくあらそいあうなんて、とかいはのすることじゃなかったわね…」 「でも、ゆるしてあげるよぅ! みんなでなかよくしようねぇ!」 三匹で笑いあっていたゆっくり達だが、突然まりさが何かを閃いた様だ。 「ぴこーん! そうだぜ! ありす、ちょっとみみをかしてほしんだぜ!」 「なに? とかいはなわたしになにかいいたいことでもあるの?」 「ごにょごにょ…、ごにょごにょなんだぜ…」 「………! それはめいあんだわ! すごくとかいてきないけんね!」 「ねぇ、いったいなんのおはなしをしてるのぅ? ゆっくりしないでれいむにもきかせてねぇ!」 内緒話をしていたまりさとありすは、れいむの方に向き直る。 その顔には今までの笑みとは異なる、下卑た表情が浮かんでいた。 「あー、れいむ。 そうだんのけっか、まりささまとありすで…」 「れいむをおいしくいただくことがけっていしたわよ!」 「はいぶんはまりささまがまえで…」 「ありすがうしろをたんとうすることになったわ!」 「ゆっくりやさしくしてあげるから…」 「とかいはなあいをうけとってね!」 「ゆゆうっ!!?」 「というわけで…」 「んほぉおおおおおおおおおっ!!!」 「ゆんやぁああああああああっ!!?」 慌てて逃げ出すれいむ。 しかし、あっと言う間に追いつかれて押さえ込まれる。 「ゆんやぁああっ! やめてぇえええっ!!」 「へへっ、ないたってだれもたすけにこないんだぜ!」 「こういうときはおとなしくするのがとかいはよ!」 「さあっ!」 「かくごしなさーいっ!!」 まりさとありすが襲い掛かる! だが、その瞬間…! 「ゆっ、ゆがっ、ゆがががが…っ!!?」 れいむが痙攣を始め、口から餡子を吐き出す! 「な、なにごとなんだぜ!?」 「このれいむ、ちっともとかいはじゃないわぁ!」 「ゆべっ、ゆぼべべべべべ…っ!!?」 そして、瞬く間に衰弱し、れいむは黒ずんでしまった。 「いっ、一体何が起きたんだ!?」 「致死遺伝の影響が出た様ね」 それまで事態を傍観していた俺達だが、この事態に困惑せざるを得なかった。 「寿命が短いとは聞いたが、まさかここまでとは…」 「元々そんなに丈夫な個体ではなかったけど、恐怖が発症の引き金になった様ね」 「発症? 何がだ?」 「美形遺伝子に眠る、致死因子の正体よ…」 れいむの死の原因をお互いの所為にして、罵り合っているまりさとありすから、 れいむを奪い取りながら彼女は言葉を続けた。 「このれいむの様に、美ゆっくりは最高にゆっくり出来る存在だけど、 その美しさがこの様な争いを生む事がある。 時に美しさは罪なのよ…」 (また、自分は美しいとかのオチをつけるんじゃないだろうな…) 「だからこそ、その無用の争いを回避する為に、ゆっくりは致死因子を持つの。 その因子とは美形遺伝子を持つゆっくりのみに作用する病魔、“YUX DIE”…!」 「YUX DIE…!!?」 「この病魔は全てのゆっくりに感染し、美形遺伝子を持つゆっくりのみを駆逐する。 だから、自然界には美ゆっくりが殆ど存在しないのよ…」 「もう何が何だか…」 彼女は美ゆっくりれいむを丁寧に埋葬してやり、こちらを振り返った。 「さようなら、れいむ…」 「結構良い奴だったんだけどな…」 「でも、あなたの死という悲しみを乗り越えて、私は次の実験に励むわ!」 「そうだぜ、元気出せよ。 俺が何か奢ってやるからさ」 「その悲しみを乗り越える為に、私は指輪と宝石を彼から頂くわ!」 「はあっ!? 懸けは不成立に終わっただろうが!?」 「何寝ぼけた事を言っているのかしら? れいむはまりさとありす両方のものになったから、懸けは両方とも成立よ!」 「そっ、そんな馬鹿なぁああああああっ!!?」 俺の絶叫は、まりさとありすの罵声と混じり合って、星の輝く空に吸い込まれていった…。 (きらっ☆) 【美しさの基準は人それぞれだと思います。 この話では世間一般的に見た場合の美しさでしょうか…。 遺伝子がどうとか偉そうな事言ってますが、詳しい事は餡子脳なので分かりません…】 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/278.html
ゆっくり達を庇護するゆっくりまりさが居る。 最近、そんな噂が広まっている。 何でも、普通のゆっくりよりも遥かに大きな体を持ち、力も強く、知恵があり、優しい性格をしているという。 普通のゆっくりの様に人間の家や畑を荒らす事も無く、人間の子供と遊んだりもするという。 私自身は見た事が無いが、友人の子供が昨日会って来たと言う。 頭の上に乗せてもらっただとか、他のゆっくりを『高い高い』していたとか、俄かには信じ難い話だ。 だが、例え信じられなくてもそのゆっくりの守護者が存在するというのは恐らく事実なのだろう。 というのも、ここ最近畑や人家を荒らすゆっくりが急増しているのだ。 私の家も荒らされた。 捕まえて仲間等が居ないか拷問した所、ふてぶてしく笑って、 「おじさんなんかどすまりさがやっつけるよ!!ゆっくりあのよでこうかいしてね!!!」 等と口々に叫んでいた。そいつらは全て処分したが。 ドスまりさなるゆっくりが居る事は確からしい。 そして、その被害報告が無い事から、これが人間に害を成すという事が無いというのも本当だろう。 だが、私は思う。 確かにドスまりさ自体は人間にとって無害だろう。いや、子供達にとってはむしろ有益ですらあるようだ。 だが、他の普通のゆっくりに対して非常に悪い影響を与えている。 自分達には強力な守護者が居るのだから、何をやっても許される。 そういう認識がゆっくりの間に広まっているのだ。 ドスまりさがどういうつもりなのかは知らない。ひょっとしたらこんな事は知らないのかもしれない。 だが、事情がどうあれドスまりさというゆっくりにとっての力の象徴が邪魔なのは確かだ。 そう考えたのは私だけではないようで、首長に相談した所、同様の意見が多く出ているという。 急遽ドスまりさ対策委員会が発足し、その対処について話し合いが行われた。 三日三晩に及ぶ討論の末、出た結論は『ドスまりさの討伐』だった。 まあ、いくら実害が無いといっても所詮はゆっくり。害獣だ。 増してそれらの旗頭的存在であればこの結論に至るのは当然とも言える。三日も掛かったのは宴会してたからだし。 ちなみに、話し合いで解決しようと言う者も居たが、そう言ったのはゆっくリンピースのメンバーばかりだった。 早速ドスまりさ討伐隊が結成されることになった。 子供達の証言をまとめるとドスまりさは体高およそ5メートルはあるという。 その上運動能力はとてつもなく高く、外敵への対処もただ体当たりをしたりといった単純な物でもないらしい。 知恵があり体力もある巨大なゆっくり。非常に厄介だ。 猟師連中にも協力してもらい、体力自慢の数人でドスまりさ狩りを敢行する事になった。 私もメンバーに含まれていた。 正直私の体力は普通程度なので相当嫌だったが、『話の都合があるから』との事なので仕方が無い。 さて、そのドスまりさの居場所だが、これも子供達に聞いて巣の場所は分かっていた。 軽く緊張しつつ探す事15分、簡単に発見する事に成功した。 というか、時折大きな声と共にゆっくりが空高く放り投げられているのだ。わざわざ場所を聞くまでもなかった。 全員でドスまりさを包囲する様に近付き、声をかける。 「やあ、君がドスまりさかい?」 「ゆゆ?おじさんたちだあれ?ゆっくりできるひと?」 知恵があるといっても口調は普通のゆっくりと変わらないんだな。声は低いが。 「ああ、勿論さ。大きくて頭が良くて素敵なゆっくりが居ると聞いてね、こうして来たんだよ」 「ゆっ!それってどすまりさのことだよ!!」 「かっこいいー!」 「ふとくてながくてながもちでれんしゃしきだなんてあこがれちゃうなー」 「てってれるよ!ゆっくりおだてないでね!!」 周囲のノーマルに褒め称えられ、顔を赤くするドスまりさ。 ドスまりさの顔はその大きさのせいで極度に下膨れになっており、赤面してニタニタ笑ながら悶える様は気色悪さ千倍だ。 「ところでそんな頭が良くて大きいドスまりさに質問があるんだけれど」 「ゆっなあに?なんでもきいてみてね!!」 「……最近、人間の畑や家を荒らすゆっくりが物凄く増えてるんだけど、心当たりは無い?」 途端、それまで上機嫌だったノーマル達の顔が凍り付く。分かりやすい反応だ。 対してドスまりさはきょとんとしている。やはり知らなかったか。 「なななな、なんのこと!?」 「にに、にんげんのおうちやはたけなんてあらすわけないじゃん!!ばかなの!?」 「ちちちーんぽ!」 「ゆっ?みんなどうしたの?……ひょっとしてほんとうににんげんのおうちをあらしてるの!?」 ドスまりさがノーマル達に詰め寄る。なるほど、ある程度は分別がつくようだな。 「いったでしょ!!にんげんのおうちやはたけにかってにはいったらだめだって!!どうしてそんなことするの!!」 「しししししっしーらないっ!あっ!ちょうちょさんまって~!!」 「ゆゆゆ、ゆっくりしてくるよ!!」 「ちーんぽ!!」 ふん、守護者と言われるだけあって、ある程度はゆっくり達を指導もしていたのか。 いやはや、人間に教えられた訳でもないのに分別があり、他のゆっくり達を指導までしていたとは。 惜しいな。だが、手遅れだ。 「ちょうちょさゆびゅべぼっ!!?」 「がぼっ!!!」 「ぎゅぴっ!!!」 「ペニス!!!」 「あじゃぱー!!」 蜘蛛の子を散らすように逃げ出したノーマル達が次々に踏み潰される。 わざわざ逃がしてやる訳が無い。それに、この隙が欲しかった……! ドスゆっくりはあまりに突然の出来事に対応できず、ぼうっとしていた。チャンスだ。 「総員抜刀!攻撃開始!!」 猟師達が一斉に銃を撃ち、私達一般人は槍やら日本刀やらの武器を構える。 「ゆ゛ぎゅぶぶぶ!!い゛だい゛!い゛だい゛!!や゛め゛でよ゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 「何て頑丈な奴だ!まるで堪えてないみたいだ!!」 「怯むな!撃て撃てぇ!」 「あ゛や゛ばり゛ばずぅ!!み゛ん゛な゛に゛はぎぢんどいいぎがぜばずがら゛!!やべでぐだざい゛い゛ぃ!!」 命乞いまでゆっくりにしてはマトモだ。益々惜しいな。けど、こいつは立派な害獣だ。 それに、こうなった以上生かしておいては危険だ。 話しても無駄だと分かったのか、突如体を大きく膨らませて、こちらに飛び掛ってきた。 「危ない!避け……ろ……おぉ?」 高い。物凄く高いジャンプだ。軽く二十メートル以上は飛んでいる。 何て恐ろしい身体能力だ……これは何が何でも仕留めないといかんな。 そしてゆっくりと避ける。当たり前だ。あんなに高く跳んでは避けられない方がどうかしている。 「ゆぐぐぐぐ!もういっかい!!」 何と言うか、呆れて物も言えない。えーと、どうして銃まで持ち出したんだっけ? その後も何度かドスまりさの大ジャンプ攻撃が続いたが、一向に当たらない。自殺志願者だけだよこんなの食らうの。 やがてジャンプ攻撃が無駄と悟ったのか、洞穴に逃げ込んだ。 「あ、しまったついぼーっとしてた!追え!追えー!!」 ぼーっとするなよ、とツッコミつつ追いかける。洞穴に入ると、何やら得意げなドスまりさが待ち構えていた。 「ゆっふっふ!ここならまりさのほうがゆうりだよ!ちのりっていうんだよ!!」 血糊?……地の利か。一体何を、と思った次の瞬間。突然ドスまりさが壁に向かって跳躍した。 「これは……?」 「ゆっふっふっふ!こうすればこうげきもよけにくいでしょう!!ゆっくりやられていってね!!!」 ドスドスと音が響く。本人は華麗に壁や天井を蹴って翻弄しているつもりなのだろうが、 いかんせん体が大きすぎる。はっきり言って物凄く狭い空間でスーパーボールが跳ねているようにしか見えない。 第一、壁にぐにゃあっとへばりついて弾性力を溜める間、ずっと攻撃対象を見つめているのだ。 ここでも体の大きさがネックになっている。力を溜める時間が妙に長い。ゆうに一秒はある。 余程鈍い相手でもない限り、簡単に先読みして避けられるだろう。 そもそもこいつ殆ど水平にしか跳んでないから、伏せれば普通に避けられる。駄目だ話にならん。 やがてこの攻撃でも駄目と悟ったのか、ぜいぜいと息を弾ませて別の攻撃を繰り出そうとしてくる。 ちょっと面白くなってきた。 「ゆゆゆ……おじさんたちなかなかやるね!!でもこれならよけられないよ!!ゆっぷっぷ!!」 口から何か噴き出した。毒かと思い、咄嗟に口元を覆うが、遅かった。吸い込んでしまった。 しばらくすると、何だか世界がぐにゃぐにゃと歪み始めた。何だこれ、そうだったコミケだコミケ! ははは!今年のコミケは島中全部回っちゃうぞう!!ひゃっはー!同人誌だァー!! おおお?あそこにいるのは……大御所様だー!うほほーい!!サインくれうひゃひゃひゃひゃ!! …………………………………… …………………… ………… …… 討伐隊は全員倒れている。あー段々意識がはっきりしてきた。 何だか全員で妙な事を口走りながら踊り狂ってたような。 「くそっ……まさか幻覚作用のある毒キノコとは」 「ん?……ああそうか。さっき奴が吹いたのは毒キノコだったのか……ってそうだ!ドスまりさは!?」 まさかあんな攻撃を繰り出してくるとは。油断していた!くそ、この隙に逃げられたら……って。 「ぶひょひょひょひょ!!らぁめだよぉれいみゅうぅ~もうすぐままがかえってくるんだからぁ」 「「「「「…………………………」」」」」 呆れた事に、毒キノコを噴射した本人が一番ラリっていた。 そりゃそうだ。手足が無いんだから、咀嚼しないとああはできない。 皆で微妙な顔を浮かべてドスまりさを眺め続ける。やがて正気に戻るドスまりさ。もう帰って良いかな? 「ゆゆ!どくきのここうげきでもたおせないなんて……こうなったらおくのてをつかうしかないね!!!」 まだあるのか。もう面倒臭いから帰りたい。 「こんどのこんどはおじさんたちでもあうとだよ!!とくべつなきのこでぴかっとしてやいてあげる!!!」 「ピカっとして……焼く?」 「おい、ひょっとして霧雨魔理沙のアレの事じゃ……」 「な!じょ、冗談だろ!」 「あんな攻撃やられたらひとたまりも……!!」 「ゆっくりすぱーく!!ゆっくりしんでいってねぇーん!!!」 ドスまりさが口を大きく開くと、強い光が口から漏れ出た。ヤバイ!!あの光だ!! 「うわあああああぁぁぁぁぁ………………って、あれ?」 「何だ?」 「何とも無いぞ」 「あ、あぁ?」 「ゆゆ!!どうなってるの!?どおしていきてるのおおおおおおおおおおおおおお!!!?」 どうやらただ光っただけらしい。 考えてみれば、例の光線はキノコの他にも特殊な道具を使っているという。それが無ければ単に派手なだけなのだろう。 「…………で、もう品切れか?」 「みたいだな」 「それじゃそろそろ殺すか」 「何かもう馬鹿みたいだな」 「ま、所詮ゆっくりって事だろ?」 「違いない」 「ままままままって!!ゆっくりしようよ!!まりさはいいゆっくりだよ!!きっとおじさんたちともなかよく……」 「お前の実態が何であれ、有害なのは変わりない。じゃあな」 「も゛っどゆ゛っぐりじだがっだよ゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぎゅぶっ!!!!!!!」 ドスまりさを討伐して一週間、ゆっくりによる被害は以前よりも格段に少なくなっていた。 それどころか、あの森に住むゆっくり自体がどこかへ移動したらしい。 まあ、あんなに大きなゆっくりがやられたとあっては、流石のゆっくりも危機感を覚えるんだろう。 悩みの種が少し減って、皆ゆっくりとした日々を過ごしていた。 MISSION COMPLETE!! 作:ミコスリ=ハン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/791.html
以前大福を作った際余った餡子となんとなく買った生クリームを混ぜたことがある すると意外と美味だった訳だよ。 大体2 5くらいかな?みんなも暇があれば試してみるといい。 凍らせるのもいいぞ、見事なアイスクリームに代わるから。 「「ゆっくりしていってね!!」」 待ってましたと言うように出てきたゆっくりれいむとゆっくりありすと赤ゆっくり4匹。 この組み合わせは珍しいな・・・とそんなのどうでもいい。 問題なのはこいつらが俺の家に勝手に入ってきたことだよ。 人の家に勝手に入り込むなぞ外道め、成敗してくれる 「ゆゆ!おにいさんはだあれ?ゆっくりできるひと?」 れいむは不思議そうな顔でこちらを見つめる。 赤ゆっくりもこちらに気がついたようで徐々に騒ぎ始める。 「ゅゆ!おにいちゃんはゆっくちできりゅひちょ?」 「おにぃちゃんもゆっくちちようね!」 「ゅゅー!」 ぅう・・・五月蝿い。 こいつらの鳴き声を聞いてると頭に血がのぼる。 しかし・・・これはチャンスよ! れいむの中身は餡子!ありすはまぁ・・・カスタードだが・・・いいか。 「よーしそれじゃゆっくりしようか、その前に」 僕は親れいむと親ありすを抱え込む。 「わぁい!おそらをとんでるみたい!」 「とかいはのありすにしてはひくすぎるけど・・・しかたないからがまんするわね!」 「おかあちゃんだけぢゅるいよ!れいみゅもゆっくちちたい!」 いちいち騒がないで欲しいなぁ・・・これだからゆっくりは・・・ しかし、この親ゆっくりは茶番よ! こんな年老いたようなゆっくりなんぞを食べる気にはなれんね! 「じゃあお母さん達とお兄さんはおかしをつくるから君達はゆっくり待っててね?」 『お菓子』。 この言葉を聴いただけで赤ゆっくりだけでなく親も目を輝かせる。 「おかち!?おにいちゃんはやきゅゆっくちおかちちょうだいね!」 「おかあちゃんがんばっちぇつくっちぇね!」 「ゆゆ!おにいさん!れいむたちにもおかしをちょうだいね!」 「ああ、無事作れたらあげるともさ!」 早く潰したい、その気持ちを今はぐっとこらえて台所へ向かった。 「おにいさん!れいむたちおなかへったよ!ゆっくりおかしをつくってね!」 「とかいはのありすはゆっくりまってあげる」 いやぁ、本当にゆっくりは他人任せだなぁ。 たまには苦労するということを教わるのもいいだろうよ。 「そぉい!!」 ベチャッ。 二匹の断末魔は聞こえることなく、第一作業終了。 餡2:カスタード5の割合でいくから・・・このくらいか。 僕は出来上がったものをリビングへと持っていった。 ※余ったカスタードはあとでスタッフが美味しくいただきました※ 「ゅゆ!おにいちゃんだ!」 「おかちおかちー!!」 俺の姿を確認すると真っ先に飛び出してくる赤ゆっくりたち。 「・・・ゅ?おにいちゃん!おかあちゃんたちはどこ?」 今すぐこれだ、といったら食べてもらえないから適当にスルー。 「さぁみんな!これが今日のおやつだよ!!」 小さなお皿に盛り付けされたクリーム。正直色は微妙だが、味は確か、確認済みだ。 「ゅー!!」 皿を前に出してやると、真っ先に飛びついてくる。 「・・・ゆ!!あまーい!!おいちいよおにいちゃん!!」 「うっめ!これめっちゃうっめ!!!」 「ちゅっきりー!!!」 「ちょかいはのありちゅにちてはまだまだね!!」 よしよし大好評この上なし。 赤ありすの言動に少し腹は立ったけど。 赤ゆっくりたちがある程度食べ終えたところでいざカミングアウト。 「おや?お母さん達が戻ってくるよ!みんなでほめてあげなきゃね!」 「ゆ!?おかあちゃんがつくったんだもんね!ゆっくりほめてあぎぇるよ!」 「「「「ゆっくちほめりゅよ!!」」」」 子供たちも嬉しそうだぜ母さん達よ。 俺は台所から持ってきたさ。 お母さん達の抜け殻をなっ! 「ほーらおかあさんたちも嬉しそうだぞっ☆ゆっくりしていってね!(裏声)」 ・・・あれ? おかしいな、この後家族で和気藹々となる光景が目の前に現れるはずだったのに。 今見えるのは徐々に青ざめていく赤ゆっくりの姿で・・・ 「「「「おがぁ”あ”ぢゃ”ああ”あ”あ”あ”ぁ”ん!!!!」」」」 一気に大量の涙。あれれー? 「おがぁじゃんになんでごどすりゅのぉお!!!」 「おにいぢゃんはゆっぐぢでぎないひどだよ!!ゆっぐぢぢね!!」 「人聞きの悪い!お母さん達を食べたのは君達じゃないか!!ゆっくりしぬのは君達さ!ハハハハハ」 少し壊れてきた。俺がね。 「それに君達は勘違いをしているっ!俺はお母さんを殺したわけじゃない! お母さんは君達においしいおかしをあげるためにしんだのさ! 俺は何もやってないぞ!?無実のお兄さんを虐める君達は悪い子だ! 悪い子には恒例の・・・お仕置きタイム!」 ながーいセリフを言い終えた僕はボウルに赤ゆっくりを放り込む。 「い”やだぁああ!!!ゆっくちちたい!!ゆっくちちたいよぉおお!!!」 「ありちゅはわるくないよおおお!!!どおじでごんなごどするのぉおお!!??」 「おがあぁあぢゃぁあああん!!!だづげでぇええええ!!!」 「やめろー!やめてくれー!しにたくなーい!しにたくなぁああああぁああい!!!」 1匹のれいむが豹変したがまぁいいさ。 赤ゆっくりはれいむ3匹、ありす1匹とカスタードが足りなくなったがそこいらはさっき余ったカスタードで補おう。 「いでよ!ハンドミキサー!スイッチON!」 僕はハンドミキサーのスイッチを入れた。勿論強さはMAXの5。 「びっぶうっぶぶぶぶぶぶおlgじょいびあ!!1」 「gyぐggyぐぐうfllだlだあかがあだ」 「びぇllbぇdぁだぁっぁdkっだぐっがglがあ」 「ゆうびゅあbっびゅゆゆゆゆgっぐちdyぎゅだいあがったよ!!!」 ちゃんとした言葉を話す暇を与えることなく混ざり終わった。 ためしに味見してみる。 「おお!流石赤ゆっくりはとろみが効いてて美味い!美味いぞ!!!」 これは・・・近い内商品化の話を加工所に持ち出す必要があるぞ!! そんな思考が頭をよぎった僕は急いで身支度をはじめた。 勿論、そんな安易な発想で作られた商品は既に発売していたとさ。 「ゆっくりした結果がこれかよ!!」 お兄さんは激怒したとさ。 終 ______________________________________________________ あとがき 知ってる人は少ないとは思いますが前にゆっくり大福を作ろうとした馬鹿です。 その後の体験をゆっくりに持ち込んでみました。 これを書いてる初めありすの中身を生クリームと勘違いして・・・・ 仕方ないのでカスタードでもいけるだろうと無理矢理通した作品です^^; 材料が揃ったので時間が空けばもう一度ゆっくり大福を作ろうかとも考えています。 勿論気まぐれでただの大福だけ作って食べる、なんてことも・・・・むしろそっちのほうが可能性高い。じゅるり。 では、最後まで読んでさった方、本当にありがとうございました! 代表作(?) ゆっくり大福 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/433.html
前編 【初冬】 誰が疑問に持つこともなく二匹はツガイとなった 狩りの得意な成れいむが山を駆け巡り、たくさんのご飯を集め おっとりした成まりさが気の長いご飯の加工作業や巣の修繕をする 巣とは言っても洞窟や木のウロではない 偶然できた小さな倒木の空洞であり、雨をしのげる程度の作りだ 隙間だらけでとても冬の寒風を防げるはずもないし ご飯をしまうと成体二匹が身を寄せ合えば、なんとか寝る程度の広さしかない いつか増える家族の事を考えると、とても間に合ったものではない 「ゆぅ…これじゃあ ゆっくりできないよ…」 「どうしたの れいむ?」 いつものゆっくりとした口調でまりさが語りかける 「まりさ! ゆっくりしていたらだめだよ! このおうちでは ふゆさんは のりこえられないよ!」 「そうなの?」 「そうだよ! もっとおおきくて かぜさんも ゆきさんも こないおうちがひつようだよ!」 「ゆきさんて なんなの? おいしいもの?」 「ゆーーーーーーーーーーーー!」 これは困った おっとりとしたまりさのマイペースには れいむも大好きではあったのだが 生活するに当たって、まるで頼りに成らないのだ あの時れいむが助けてあげなかったら すぐに変なものを食べたり、他のゆっくりに騙されていたかもしれない しかしれいむは、このまりさとずっと一緒にいると決めたのだ 「どうしよう…どうしよう…どうしよう…」 またまたれいむはどうしようと呟き始めた 近くにはもう空いている洞窟もない 今から他の土地に探しに行くなんて危険を冒すことはできない きっとまりさがすぐに駄目になってしまうだろう れいむ一人なら さくっと探せてしまうのに なんでまりさはゆっくりしているのだろう これからゆっくりできなくなるっていうのに… なんでこんなまりさを選んでしまったのだろうか れいむは 狩りも上手い 料理も上手い 知識も多彩だ 一人でやっていけるはずだ なんでまりさといるんだろう 別に困ることなんてないんだ そんなことはない そうだ あの強いお父さんが れいむをかばって怖いふらんに怪我をされた時も お母さんが毎日お父さんを看病をしていた 優しいお母さんがれいむに古いご飯を食べさせてちゃって 酷く落ち込んで気に病んでしまった時も お父さんはいつも笑顔で元気にお母さんを励ましていた 一人では駄目なんだ 自分が狩りも料理も上手くなったのは両親のおかげだ お父さんお母さんが、まだ弱かったれいむを育てながら 三匹で暮らしていけたのは、夫婦で協力していたからだ 思い悩むれいむに、まりさが言う 「れいむ…ごめんね…れいむ……まりさのせいで ゆっくりできなくて ごめんね…」 「…」 「まりさは…いつも…れいむの あしでまとい だよね……だから……ほかの ゆっくりと いっしょに…」 「そんな…」 「れいむ?」 「そんなことないよ!」 「れいむ…」 「まりさが いてくれるから れいむは がんばれるんだよ! どんなにかりが たいへんでも おうちに まりさがいるから がんばれるんだよ!」 「…」 「れいむには…まりさが! まりさがひつようなんだよ! れいむのまりさは ひとりだけだよ! まりさは! まりさは! れいむの たからもの なんだよ!!!!!」 【真冬】 二匹のゆっくりが山を降りていた まりさ種の帽子が、とても膨らんでいるのは越冬用の食べ物がたくさん入っているからだろう ツガイであろう一回り大きいれいむ種はリボンに大きな葉っぱの袋を下げているようで おそらく生活で使う薬草や木の実の類だと見える 雪は降り始めているが地面はまだ白く染まっていない しかし気温はだいぶ下がり、秋には実りにあふれていた森は音を無くし静まり返っていた 「ゆっ! ゆっ! まりさ! ゆ! だいじょうぶ!?」 「ゆぅ! うん! ゆぅ! きゅうけいは いいよ!」 れいむ達は独り立ちをして跳ねてきた道を戻っていた 小さかった以前の倒木を後にして、持ち運びやすい食料を分担して運んでいる 「ゆっ! あとすこし! がんばって! ゆっ!」 「だいじょぶ! ゆ!」 思い出したのは両親の言葉だ 「おちびちゃん きをつけてね! つらくなったら もどってくるんだよ!」 「だめだよ! もうすぐ さむいさむい ふゆが くるから そのとき かおを みせてね!」 「おかーさん おとーさん! れいむは さびしくないよ! ちゃんと ひとりで ゆっくりできるよ!」 お父さんにれいむの顔を見せてあげよう そして れいむのまりさを紹介しよう お父さんにそっくりな まりさなのに こんなにお母さんにそっくりな ゆっくりさんだったら驚くかな? 巣の大きさはどうがんばっても三匹分しかないだろう しかし自分が育った土地だ 手早く加工すれば ご飯と一匹がギリギリ収まる程度のくぼみやウロは知っている まりさには冬の間 お父さんとお母さんと仲良くしてもらおう 冬がいなくなってくれるのが どれだけ長いのかは わからないが まりさに会うまでは一人で暮らしていたし すこしくらい寂しくても 春になってみんなと会えたら元気になる がんばろう 「ゆっ! ゆっ! ゆっ!」 がんばるんだ 「れいむ! いそぎすぎだよ!」 はやく 「ゆっ! ゆぅ! ゆぅ!」 おかあさんに 「れいむ きをつけてね! じめんさんが つるつるするよ!」 おとうさんに 「ゆっ! ゆぐ! ゆぅ!」 ほんのり雪で覆われた崖の斜面 何か草のようなものでフタをされて隠されているが れいむにしっかりと見えていた 見えた! 自分の育ったおうちだ! 見た事のある原っぱ! 見た事のある洞窟! 「あった! おうちだ! おうちだよ!!!」 塞いでいたフタを急いで外すと れいむは 洞窟の中へと駆けた 思い出すのは子供の頃ばかりで 昔の落書きやいろんな傷が今の自分にとっては とても小さいものに感じられる 「おとーさぁーーーーん!」 入り口にはお父さんが梅雨のときに盛った土の残りが置いてあった 「おかーさーーーーーん!」 お部屋にはお母さんが れいむを慰めてくれた藁のベットがあった 「れいむだよ! れいむが かえってきたよ!」 … 「おとーさん? おかーさん?」 … 「れいむだよ?」 … 「かえってきたんだよ!」 … 「どうして? どこにいったの? れいむが かえってきたんだよ!」 持ってきた食料を誰もいないお部屋に投げ捨てると だいぶ雪が降り積もった巣の外へ出てきた 両親はどこへ行ったのだろう? こんな寒い雪の中 出かけるはずもない まさかふらんに襲われた? それにしても部屋の様子はとても片付いており 荒らされたわけでもなく、狩りに必要な道具や荷物入れは置いたままで どこかへお出かけに行った様子もない すぐにでも使えるような おうちとお部屋があるだけで お父さんとお母さんだけが すっぽりと抜け落ちていないだけだ 『おとーさん なんで おうちのいりぐちを ふさいでいるの? こんなかたちだと れいむが ころんじゃうよ?』 『これでいいんだよ いりぐちと じめんさんに やまを つくっておくんだよ』 『こんなことすると おうちにはいりにくいよ!』 『だいじょうだよ! おとうさんのおとうさんも このいえに こうしてきたんだよ ずっとむかしからね!』 お父さんのお父さん? お父さんのお父さん(おじいちゃん)には…お父さんのお母さん(おばあちゃん)もいたはず なんで昔から住んでいたのに、れいむはお父さんの両親を見たことがないだろうか? 生まれて物心ついた時には お母さんとお父さんと三匹でくっついて 外の寒風を耳にしながら おうちの中で春を静かに待っていた ならあの頃 お父さんの両親 お母さんの両親は どこにいたのだろう? どこへ? この 雪の中 「うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ」 れいむは視界が白く染まった雪の中に飛び出た 「おとーさぁあああああああああああああああああああああああああああん!!!!!」 れいむの声は、吹雪で白く染まった原っぱに溶ける 「おかーさあああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!」 れいむの声は、閑散とした森に響くだけ 空を見上げたれいむの顔に、雪が舞い落ちる 頬を流れ落ちて行く雫は、雪が溶けたものではない 「…ゆっく……おとうさん………ゆぅ………おかあさん………ありがとう…………ありが……とう…………」 れいむは【自分の家】に戻った まりさは運んできた食料を解いて並べている 「…ゅ……まりさ…………あのね………」 「れいむ いいんだよ わかってるよ」 「…」 「れいむは とてもやさしいから れいむのおとうさんも おかあさんも とてもやさしいひとだって しってるよ」 なんて聡明な妻なのだろう あの冬の日 なんで自分は まりさを馬鹿にしてしまったのだろう 誰よりも優しいまりさだから、何も言わなくてもれいむの両親の気持ちがわかったのだ まりさに出会えてよかった まりさをを選んでよかった れいむを好きでいてくれてありがとう まりさをずっと好きでいよう ここでずっとゆっくり暮らそう 【越冬】 先日の吹雪が合図だった 早々に閉めた入り口には寒風がぶつかりガタガタと鳴らしている 少しだけ空いた覗き用の隙間から、寒さを超えて痛いような空気が入り込んでくる ある程度したら塞いでしまおう 「…」 「…」 ビュォォオオオ 唸り声のような風の音が聞こえるだけだ 「寒いね」 「そうだね」 火を扱えない二匹に暖を取る方法はない 寒さに身震いすると、れいむは入り口を完全に密封して まりさのとなりに落ち着いた 「ゆぅ…」 「…」 「ふゆさん、いつになったら ゆっくりしないで いってくれるのかな」 「まりさはべつに いつでもいいよ」 「ふゆさんが いなくならないと ごはんも たいようさんも ゆっくりしてくれないんだよ?」 「だって… ずっと れいむと くっついていられるから」 狩りを覚え、伴侶を探す、まだゆっくりにはすべき事がある 「もう まりさはー!///」 「こうやって すりすりすると あったかくなるよ」 「そうだね まりさの おはだは すべすべで すりすりきもちいいよ」 「れいむは ごわごわだけど なんだか たのしいよ」 「ごわごわ!? いったなー すりすりりすりすりすりすりすり」 「ゆは! れいむ! もう! すりすりすりりすりすりすりすりすり」 … 「ねぇ……れいむ……あのね」 「うん…………………………」 もう二匹は寒くなかった 彼女らの周りにだけ春が来ているようだ 「………………………………………赤ちゃんがほしい」 「…………………………………………………………!?」 当然の事だ 独り立ちして、夫婦になり、子供を育てる どんな動物でもしてることだ 「わ、わかったよ! れいむ、がんば……ん?」 「どうしたの?」 越冬で暗いおうちの中 若い二匹寄り添っていればこうなるのは当たり前だ しかしれいむには何か引っかかっていることがあった なんだろう 「ちょ、ちょっと ゆっくりしててね!」 「もう れいむ!! ばか!」 れいむは思い出してみた きっと玉のように可愛い赤ちゃんが生まれるだろう 子ゆっくりにまで育ったら、れいむの狩りを教えてあげよう 子ゆっくりに育つまで… 「あのね、まりさ」 「なあに?」 「いま すりすりして すっきりして ゆっくりした あかちゃんができると」 「ゆん?」 「まだ さむいさむい ふゆさんが はじまったばかりなのに ごはんもない おうちに あかちゃんが うまれるよ」 「ゆ…ん?」 「だから いまうまれると すぐおおきくなって ごはんも たりなくなるし さむいから あかちゃんも かわいそうだよ!」 「ゆー」 まりさは本当は理解はしているんだろうが 餡子の下の方に思考と情熱がいってしまい れいむが説得するのに一晩かかった まあ その説得方法も子種を渡さないようにすっきりしてたわけで 【初春】 寒風も弱まり雲の隙間から暖かい日差しが差し込むと おうちを囲んでいた雪も溶け始めてきた ひょっこり芽を出したふきのとうを れいむは採り過ぎないように集めていた 「まりさ! いまかえったよ!」 「ゆー おかえりなさい」 返事を返す まりさの体は少し変わっていた 頭のてっぺんから植物の茎のようなものが生えており 一個だけ白い実が生っていたのだ 「れいむ とってもゆっくりした あかちゃんだよ!」 「まりさに にて すごく ゆっくりしてるよ!」 まだ小さい実を二匹は笑顔で眺める れいむは たびたび入り口の隙間から季節の変わりを調べて もうすぐ春という頃合を計り、子供を設けたのだ そして春が来る数週間の間 貯蓄していた赤ちゃん用のご飯で、すくすく子ゆっくりとなり 春一番が吹いたら れいむと狩りの練習を始めるだろう 数日後の夜 「れれれれれれれれれれれいむ!!」 「ゆぅ…まりさ れいむは まだ ねむたいよ ゆっくりねかせてぇ」 「ゆっくりしているばいじゃないよ れいむ!」 「どうしたの まり……まままままままままままままままりさ!?」 まりさの茎にぶら下がっていた実が ぐりんぐりんと揺れている 赤ちゃんが無意識で産まれ落ちようと揺すっているのだ 「どどどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう」 たぶんれいむが生涯で一番どうしようと慌てただろう 「れいむ! わたしのまえに わらをしいてね!」 「つよいひかりは だめだよ!」 「いりぐちを しめてきてね!」 「まださむいから のっこたわらをふんで あたためといて!」 逆にまりさは人生一番のテキパキっぷりだ 「あかちゃん ゆっくりしてね! あわてなくていいよ!」 「あかちゃん! まりさが おかーさんよ! ゆっくりうまれてね!」 まりさの「お母さん」にれいむは思った そうか 自分はお父さんなんだ ついにお父さんになるんだ いつもまでも両親の子という感覚だったれいむは 親になると言う自覚を深く感じた 「れ れいむが おとうさんだよ! ゆっくりしていってね! ゆっくりしてね!」 くりんくりん揺れていた あかちゃんの小さな口が開いた 「ゅぅ~ ゆっくち うまれりゅりょ!」 まだ目は開いてないが つながった茎から離れようと小さく揺れている 「ゆ! あかちゃん! まりさ! しゃべ! あかちゃ! まりしゃ!」 「おちついてよ れいむ! 」 生まれる前に自分の子供の声を聞いてしまったれいむは もう何がなにやらと餡子脳の限界を超えていた 特に自分ができる事は もう何もないのだが とにかく何かがんばらなければとあたふたとしている ぷちっ とさ 二匹 「…!」 「…!」 おめめ ぱっちり 「ゆっくち ちていっちぇね!」 二匹 「…!!」 「…!!」 ちょっと不思議な面持ちで 「ゆ、ゆっくち ちていっちぇね?」 二匹は 「!」 「!」 そして力いっぱいに 「ゆっくち ちていっちぇね!!!!!!」 「「ゆっくりしていってね!!!!!!!!!!!!!!!!」」 まりさは誰に教わることもなく 茎をれいむに折ってもらうと軽く咀嚼して赤ちゃんに食べさせた れいむは自分が敷いて暖かくなった藁で赤ちゃんを包み いつまでも二匹―いや三匹は寄り添っていた 【二度目の春】 お母さんのまりさに見送られて、一匹の子ゆっくりが巣から顔を出した 赤ちゃんの頃からずっと今まで、巣の中で暮らしてきた、この子ゆっくりのまりさには 外の世界はとても眩しく感じられた 暖かいお日様 草の匂い 頬を撫でる風 今日はお父さんれいむが外で一緒に遊んでくれるという 「まりさ! ゆっくりしないでおとうさんについておいで!」 「ゆゆ!? おとーさん まって! ゆっくりしてね! まってぇえええ!」 こてん 転がってしまった 狭い巣の中では大きく跳ねる必要もなく 体全体を使うような経験がなかったからだ 転んでいるうちにお父さんの姿はどんどん小さくなる 「いじゃいよぉお あんよが ひりひり ずるのおぉおおお」 「…」 お父さんれいむは子まりさに振り返るが、すぐにきびすを返して跳ね始めた 「ゆぅ!?」 お父さんに助けてもらえると思っていた子まりさは 思いがけない対応に驚く 「…おとうさん もういくからね! まりさも はやくきてね!」 「ゆぅえええ! おどーじゃぁん! まっでよぉおお!」 お母さんまりさは入り口の傍で、そのやりとりを見届けると 巣に戻って梅雨になる前にベッドを新しいものに取り替えようと藁を組んでいた れいむは父親として厳しいかもしれないが 頼りない母まりさより、りっぱなゆっくりまりさになってほしいので 毎日狩りの訓練と言っては 何処へ行ってきたのか傷だらけになって戻ってきたり 森で怖い思いをして泣いて帰ってきたり、へんなキノコを舐めさせられたりとかは目をつぶっていた 【二度目の夏】 梅雨や日照りのある季節だ 水に弱く乾燥にも弱いゆっくりにとって冬と共に危険な季節だ 「ゆぅ~ あついよ~」 父れいむから狩りを教えてもらった子まりさも更に大きくなった 「まりさ! なつというのは あついだけじゃないからね!」 「ゆゆ? おとーさん なつは あついんでしょ! まりさも わかるよ!」 「あついあついといっても あつくないときが あるんだよ!」 「???」 どうやら父れいむの説明している事が 子まりさには理解できていないようだ 母まりさは そのうち不当労働に泣いてくるだろうと思って 皆で寝ているベットの上で、いつか使うだろう子まりさのための荷物入れを作っていた 「ゆえええええん!ゆええええん!おどーーざんのばがぁああ!まりさは わるいごどじでないのにぃぃい!」 あら早いこと 母まりさはベッドに飛び込んできた子まりさに おいでおいですると すりすりしながら 涙をぬぐってあげた 【二度目の秋】 実りの秋 春の時と同じように子まりさは巣の外に顔を出した 今度は両親と一緒だ 「…」 春の時は目を輝かせて お外を見ていた子まりさだったが 表情は陰り、はっぱで作られた荷物を抱えている 「まりさ きをつけてね! つらくなったら おかーさんのところに もどってきてね!」 「だめだよ! もうすぐ さむいさむい ふゆが くるから そのとき おとーさんに かおを みせてね!」 「おかーさん おとーさん! まりさは さびしくないよ! ちゃんと ひとりで ゆっくりできるよ!」 すくすくと育った子まりさは、いまや成まりさだ 春夏と過ごした巣は成体三匹では手狭となっている 成まりさはうすうす大きくなったら 一人で暮らす事を理解していた 「まりさ ほんとうに おおきくなったね! おとーさんはうれしいよ!」 お父さんれいむは、自分と同じくらい大きく育った成まりさを嬉しがっていた 「おとーさんの おかげだよ! まりさなら どんな かりでも できるよ!」 お母さんまりさは、自分と同じくらい賢く育ったに成まりさを喜んでいた 「まりさ! ふゆになるまえに ごはんをあつめてね!」 「わかったよ おかーさん! まりさは おかーさんにならった りょうりで いつも おいしいごはんを つくれるよ!」 「…」 「…」 「…」 「ゆわぁああああああああん」 「「まりさぁぁ!」」 この数ヶ月で、両親から受け継いだ狩りや自然の知識を学び 子まりさは一人前のゆっくりとなった もう自分一人の力で生きていかなくてはならない ひとしきり別れを惜しんですりすりを終えると 何度も何度も両親を振り返りつつ、成まりさは遠い草原の向こうを目指した 「いっちゃったね…」 「うん…」 母まりさと父れいむは顔合わせた 「はー 楽しかったねぇ」 「そうねぇ」 狩りの名人だった れいむ いつの間にか草原を駆けた足は、ハリをなくしヒビがわれている 美しかった まりさ 秋の陽光のせいだろうか、金の髪はところどころ白くなっている 「いっぱい ゆっくりしたね…」 「いっぱい ゆっくりしたよ…」 「あのこが ぶじにそだって よかったね」 「りっぱなこ になって よかったね」 おうちの中へ戻る れいむ 足を引きずるような跳ね方は、もう昔のように戻ることはないだろう よろけるれいむを まりさが支えてあげる 「ちょっと あのこのために むりしちっゃたかな」 「れいむったら おやばか ねっ」 れいむは自分の親が、どんな気持ちで見送ったのだろうかと 昨日まで思っていたが…もう考えるまでもなかった 夫婦二匹はおうちへ入った 【そして初冬】 巣のおくにはしわがれた二匹のゆっくりが住んでいた 赤茶にくすみ、垂れ下がったリボンから れいむ種だとわかる 普通より大きな体躯から、若い時には狩りに優れていだろう そのれいむに寄り添っているのは とても長い白髪を持っているまりさ種だ 今もなお 美しいツヤを持っている髪の毛は きっと輝くような金髪だったのだろう 巣の中は綺麗に整頓されており、生活感は漂ってない もしどこかの家族が移り住んだのなら この老ゆっくりより有意義に使うはずだ 二匹はお互いを支えあいながら入り口を出ると 近くにあった軽い枝を組み合わせたようなものでフタをした すると洞窟の入り口は、もう知っているゆっくりにしかわからないように隠されてしまった すでに雪は降っている もしかしたらもう足の感覚はないのだろうか うっすらと白くなった地面を這うように進んでいく その先には何もない もう雪は吹雪に近づき何も見えない けれど二匹は、まるで誰かが通っていったかように 草原だった方向を振り返りと 懐かしそうな目をしている どうしてだろうか 二匹は微笑んでいる きっと彼女達はゆっくりとした人生を過ごして来たのだろう なにも思い残すことはないだろう しかし二匹はいつまでも草原を見つめ続けて語りかけるように呟いた 「ゆっくりしていってね」 あとがき お読み頂きありがとうございました 書き始めたきっかけは 「ゆっくりは一冬しか生きられないほど、か弱いのでは?」と しかしそうなると越冬の経験がなくなってしまいます ではどうやって厳しい冬を乗り越えるのか たった一年の人生を、本能だけで狩りや生活をこなせるのか? その答えは劇中の通りです ちなみに好きな映画は「アンドリュー NDR114」です この映画ではアンドロイドの視点から200年を通してある一家が登場します SSでは、れいむ達は死期を悟ると 自分達の両親がしたように巣を空け渡してどこかへ消えてしまいます ゆっくりの短い人生のスパンでは祖父祖母を見ることは出来ません 代々受け継がれてきた親の愛情が今の元気な子ゆっくりに向けられている…家族っていいですよね! ううう・・・(泣)本っと家族っていいですね・・・ なんか切ないけどほのぼのというか・・・とてもいいお話だったと思います -- 名無しさん (2008-11-12 03 53 26) れいむは自分の親が、どんな気持ちで見送ったのだろうかと 昨日まで思っていたが…もう考えるまでもなかった 本当に涙が出てきた 連綿と受け継がれていく生命の営み 醜いこともあろうが美しい -- 名無しさん (2008-11-12 14 44 08) いつも虐待スレに居ますが、これは良いですね。たまには愛でるのも悪くないかなと -- 名無しさん (2008-11-14 04 27 47) 家族愛を伝える作品として、今までで一番良かったかもしれない。 ただ。。。 この出生率だと、種が存続できないような気が………。 -- 名無しさん (2008-11-14 21 53 05) 私もいつも虐スレに居ますが、この話には感動しました。 「はー 楽しかったねぇ」 この言葉に、生きる事の意味が詰まっているような気がしました。 -- 名無しさん (2008-11-21 03 51 45) 全 俺 が 泣 い た。誰かバスタオルをくれないか。 -- 名無しさん (2008-12-02 21 19 31) 畜生、泣かせんじゃねぇよ・・・。 -- 名無しさん (2008-12-03 01 56 23) 役目を終えた両親はゆっくりぷれいすに行くんだね -- 名無しさん (2009-07-06 11 48 55) 受け継がれる命と去りゆく命に感動しました。 -- 名無しさん (2009-07-13 19 50 37) 目から餡子 -- 名無しさん (2009-10-19 18 17 21) 泣けた。泣けたぁぁぁ。 -- 名無しさん (2010-05-03 18 56 34) ゆっくりしていってね… -- 名無しのゆっくり (2010-12-07 18 53 00) ビバ家族!! -- 名無しさん (2011-05-02 11 07 43) ゆわぁぁん…ものすごくかんっどうしたよ…! -- ななしのゆっくり (2012-10-14 23 19 31) 虐待ばっかで嫌になってたから、めっちゃ癒された。 -- ただのゆっくり (2013-02-11 12 32 49) 泣いた けどこのままだとどんどんゆっくりが減りそう -- 名無しさん (2013-05-14 14 54 06) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2049.html
『ゆっくり釣っていってね!!!』 「ゆっくり釣っていってね、か」 私の前にはそびえ立つドーム状の建物。 その入り口上方の大きな看板にはれいむとまりさが「ゆっくり釣っていってね!!!」と絵の中で叫んでいる。 ここは屋内式の釣堀、それもゆっくりを釣るための釣堀だ。 大きな建物の中には2mほどの深さ、面積は3m四方程度に掘られた穴の中にゆっくりが何匹も閉じ込められている。 そんな釣堀が建物の入り口から向こう側までズラリと並んでいる。 このゆっくり釣堀は数ヶ月前、『キャッチ&イート』の宣伝文句と共に開かれて大ヒットを博した。 使うのは釣竿と釣り糸、釣り針といった基本的な釣り道具。 後はゆっくりを釣る為の餌、さらにはこの釣堀にある様々な特徴を持つ釣堀に合わせたルアーである。 それらの道具は全て無料でレンタルできるので手軽にゆっくり釣りを体験できる。 そして釣ったゆっくりは宣伝文句の通りにその場で食べて良し、持ち帰っても良しである。 ただしその場で叩き潰したり、釣堀の中のゆっくりを殺すようなことをするのは他の客にも迷惑なので止めましょう。 というよりもそんなことしたらガチムチの店員さんに追い出されます。 まあ、ルールというかマナーを守れば在る程度自由が利く。 それがこの釣堀の人気に繋がったのだろう。 かくいう私もこの釣堀が気に入っており、今や常連である。 いつもは釣りを楽しむために来ているのだが、今日はうちで飼っているゆっくりの遊び相手を釣りに来た。 釣り道具を持参する私はまず受付で店員に会員カードを渡し、レンタル不要の旨を伝える。 後は店員から番号札を受け取りって会場へと入場した。 ゆっくり釣堀の建物に入るとまず聞こえるのはゆっくり達の悲鳴だ。 「あ"あ"あ"あ"あ"!!」 「ごっぢごないでー!!」 「い"や"あ"ぁ"ぁ"ぁ"! あがじゃんがえじでぇぇ!!!」 「ぼうしかえして! あああ!!! ぼうしたべちゃらめぇぇ!!!」 とまあこんな具合で建物全体に響いて一つのBGMとなっている。 私はその心地よいBGMに聞きほれながら目的の釣堀へと歩いていく。 複数ある釣堀には難易度が設定されていて、入り口から遠いものほど難易度は高い。 私が目的としているのは五本の指に入る難易度の釣堀の一つで、期間限定の釣り堀だ。 割と奥の方にあるのでそれなりに歩く必要はあるが、着くまでに他の釣堀の様子を眺めて楽しむこととしよう。 例えば入り口近くにある釣堀。 そこからはゆっくりの元気な声は聞こえない。 釣堀の中にいるゆっくりはどれも飢えさせられている。 そのためゆっくり用の餌を釣り針にセットしてぶら下げれば入れ食いである。 そんなわけで難易度は最低レベルだが釣り上げる楽しみを知るにはちょうどいいかも知れない。 しかし慣れた人なら釣る以外の楽しみ方が出来る。 ちょうど一人の男がやっているそれもその一つ。 「………」 「ゆあー……」 その男が垂らす餌の周りのゆっくりは皆一様に大口を開けて阿呆みたいに空を見上げている。 中には飢えて体力が少ないのに必死で跳ねるゆっくりもいる。 男は釣り針に付いた餌をゆっくりがギリギリ届かない高さに調整してゆっくり達の物欲しそうな顔を見て楽しんでいるのだ。 どんなに頑張っても届かない餌。 怒る元気もない飢えたゆっくり達はただ餌を見上げるぐらいしか出来ない。 ここで男は餌をほんの少しだけ降ろす。 「…ゅっ!!」 「ゆー!」 その微妙な動きに飢えたゆっくり達は敏感に反応し、もう少し降りてきたら食べてやるぞと言わんばかりに構えた。 餌はまだ届かない高さにある。 今飛び跳ねても無駄だと分かっているこの釣堀のゆっくり達はただ構えるのみ。 また餌がほんの少し下がった。 「ゅ…っ!!」 「……!!」 ゆっくり達の体がピクリと動く。 また餌が少し下がる。 ゆっくり達はまた体が反応してピクリと動く。 また餌が下がる。 またピクリと動く。 そして、とうとうゆっくり達の届く高さまで餌が下がった。 「ゆゆー!!」 「そのえさもらったー!!!」 「ゆぅー!!!」 気合満点に餌へと飛びつくゆっくり達。 大きく口を開けて餌へと食いつく――はずだった。 ゆっくりが餌に食いつく寸前に餌はスルスルとまた空へ昇っていった。 そして餌はゆっくり達の届かぬ高さで停止する。 「ゆぅぅぅぅ!!!」 「あどぢょっどだったのにぃぃぃ!!!」 悔し泣きするゆっくり達をその男はニヤニヤと眺めていた。 しかしこの男、いいフェイントテクを使う。 餌に食いつかれる寸前で引き上げる。これは言ってみれば簡単だが実際にやるのは難しい。 この釣堀にいるゆっくり達のスピードや動き出すタイミングを熟知していなければ出来ることではない。 恐ろしい男だ。そういえば一週間前からこの釣堀にずっといた気がする。 その中でこのテクニックを身に付けたのだろう。 今度は飢えたゆっくり達を煽って内輪揉めを始めさせたようだった。 他にはこんな釣堀もある。 「んぼぉぉぉぉ!! まりざああああ!!!」 「こっぢでずっぎり"じまじょっ!?」 こちらは発情ありすの釣堀だ。 ちょうど今一匹釣れたようで、まりさルアーに付いている針に刺さっている。 ここはゆっくりの姿をしたルアーを使えば簡単に釣れる。 発情したありすは他のゆっくりを犯したくてたまらないので、動かない人形のゆっくりルアーでも迷わず飛びつくのだ。 そしてすりすりしようとすると釣り針が突き刺さってフィッシュされるわけだ。 逆にそれ以外の物、例えば釣り餌なんかじゃ中々引っかかってこない。 ゆっくりルアーを使えば難易度は相当低い釣堀である。使わなくても中程度だ。 もちろんこの釣堀でも他の楽しみ方も出来る。 見てみるとちょうど釣る以外の楽しみ方をしている男がいた。 「い"や"あ"あ"あ"あ"!! やべでっ! おろざないでえええ!!!」 「おねーぢゃーん!!!」 「やめでぇぇぇ!! まりざのごどもをがえじでぇぇ!!」 他の釣堀で釣ったまりさなのだろう。 生きた子まりさは頭から釣り糸付きの楔を打ち込まれて宙に浮いている。 そして男の脇にある透明な箱にはその子まりさの家族が収まっていた。 まりさ家族は泣き叫びながら男にやめてと懇願していた。 ここがどんな釣堀で、降ろされたらどうなるか良く分かっているのだろう。 特に子まりさは顔を真っ青にして震えていた。 「まりざはやぐおりでぎでぇぇ!!」 「おねーざんどいっじょにずっきりじまじょうよ!!!」 「おとなにじであげるわよおぉ!!!」 子まりさの下では複数の発情ありすが子まりさの投下を待っていた。 人間で言えば主に黒光りする蟲で溢れるプールに飛び込むような、そんな嫌悪感を子まりさは抱いていた。 あんな小さい子供のまりさでも知っているのだ。 発情したありすに捕まったら何をされるか。その結果自分はどうなってしまうのかを。 「もうい"や"だよ"お"ぉ"ぉ"!! はやぐおろじでえぇぇ!!」 「おっけー」 「ぢがっ、ぢがうの"っ! おろざないでぇぇぇ!!!」 子まりさは安全な場所に降ろしてと言ったのだろうが、あの言い方じゃ仕方ない。 男は子まりさの発した言葉に従って行動に移す。釣竿を持つ手をちょっと傾けるだけだ。 それだけで子まりさはありす達へと近づく。 しかしまだありす達はジャンプしないと子まりさには届かない。 「もうぢょっとおりできてねぇぇ!!」 「そうしたらまりさのはじめでうばってあげゆうぅぅ!!!」 「ああああ! もうがまんできないぃぃぃ!!!」 「ゆひっ!? ぎもぢわるいよぉぉ!!!」 我慢できないありす達はジャンプして子まりさにぺろりと舌を這わせる。 ジャンプしないと届かないのでスリスリは出来ないが、舐めるぐらいなら十分出来る。 涎を塗りつけるように舐めてくるので子まりさは下半身を中心に涎まみれになってしまった。 気持ち悪い舌の感触、不快な涎の臭いが子まりさの気力を削いでいく。 「きもぢわるいよ"…もうやだよ……」 体を塗らす液体はもはや子まりさの涙なのかありすの涎なのか判別が付かない。 このままずっと続けていたら皮がふやけて破れそうな勢いだった。 「おにーざん! もういいでじょ! まりざのごどもをだずげでね"!!」 「まりさおねーさんをゆっくりさせてあげてよぉぉ!!」 「おっけー」 男は子まりさの家族の言葉を聞き、子まりさを地面すれすれまで降ろした。 確かにこれなら永遠にゆっくり出来る。それまでが苦しいのだけど。 早速ありす達はスリスリできる高さまで下がった子まりさに襲い掛かった。 集団レイプである。 「まりざまりざまりざぁぁ!!!」 「たくざんすっぎりじまじょうねー!!」 「ありすいろにそめであげるぅぅぅぅ!!!」 「ゆぎぃぃぃぃ!! はなれでっ!! ぎもぢわるいよ"!! はなれでえええええ!!!!」 吊るされた上にありすに360度きっちり押さえ込まれたまりさの唯一できる抵抗は言葉だけ。 しかしそれも発情したありすからすれば喘ぎ声にしか聞こえない。 ありすは粘液の分泌量を増しながら子まりさへのスリスリを激しくしていく。 「やめでぇぇぇ!! ありずやめでよおおお!!!!」 「まりさのごどもがらはなれでよぉぉぉ!!!」 子まりさの家族の必死な叫びもありすからすればBGM、もしくは声援である。 「んほぉっ、みられてるともえるわー!!」 「まりさのかんじてるかおをおかーさんにみせてあげましょうねえぇぇ!!!」 「ゆ"う"ぅ"ぅ"!! みないでっ、みないでぇぇぇ!!!」 しかし発情ありすはいつみても気持ちが悪い。 普段のありす種は理知的だというのに発情するとこうも変わるものなのか。 「はぁはぁ、まりさ"ー! ありずすっきりしぢゃいそうよぉぉお!!!」 「ありすのあいをうげどっでねぇぇぇ!!」 「んほおっ! もういっぢゃう!!」 「いっしょにすっぎりじましょうねぇぇ!!!」 ありす達はそろそろすっきりするようだ。 子まりさの方はもう四方からありすが押し寄せてくるので苦しそうだ。少なくともすっきりとは程遠い。 「んほおぉぉぉぉ!!! すっきりー!!!」 ありす四匹は同時にすっきりし、子まりさに子種を植えつける。 後はもう四本の茎に栄養を吸われて死ぬのみ。 「あ"あ"あ"あ"あ"!! なんでずっぎりじぢゃうのぉぉぉぉ!!!」 「ありずがおねーぢゃんをごろじだぁぁ!!!」 「よーし次は赤ちゃんまりさをすっきりさせてあげようか」 「あがぢゃんだげはやべでぇぇぇ!!!」 「ゅ? あそんでくれゆの??」 男は何が起きているのか分かってない赤ちゃんまりさを掴む。 あの男はいつもああやって家族を次々とありすの釣堀に吊るして犯させている。 きっと何かそういう特殊な性癖の持ち主なのだろう。 目的の釣堀に行く前にちょっとレア種でも見てこようと、レア種を集めた釣堀に向かう。 そこではかなこ、てるよふ、もこう、おりきゃら…などなど、 そこいらでは中々見ることの出来ないゆっくりを釣ることが出来る。 ただし―― 「ゆっくりいじめてね!!」 「てんこをつりあげてね!!」 レア種の釣堀に放たれた大量のドMてんこを釣らずに突破出来たらの話である。 ドMてんこは痛めつけられること、苦しめられることが大好きな変り種のゆっくりだ。 なので釣り針なんて見ようものなら涎を垂らして釣られに来る。 そんな訳でレア種狙いなら難易度は最高レベル。逆にてんこ狙いならゆっくりでも釣れるレベルだ。 「くそーっ、またてんこかよ!! 俺はもっこもこもこたんが欲しいんだよぉーっ!!」 「もっといって! もっといって!!」 「あーもう! 何度でも言ってやんよ! てめーなんていらねぇんだよ!! 死ねよ糞てんこ!!」 「いい…!! もっとばとうしてね!!」 「畜生…! もこたんINしてくれよ…」 とまあレア種を狙うのであればてんこのウザさに耐え抜く強さが必要である。 ちなみにもこうに熱を上げるこの男は三日連続チャレンジして、すでに釣ったてんこの数は百を越えた。 それだけ釣ってもてんこが釣堀から消えないのは店員がレア種を取られぬように逐次てんこを追加しているそうだ。 「うおぉぉー! だが俺は諦めんぞぉ!!!」 大した奴だ。知らない人だが心の中で応援しておく。 さて、寄り道をしてしまったが私もそろそろ釣りを始めるとしよう。 目的としていた釣堀へ着いた私はまず最初に中のゆっくり達の様子を見る。 ここは元気なゆっくりが集められている釣堀で、数日前に森で捕まえたゆっくりの群れが放し飼いにされている。 ただ単純に放し飼いにされているならば知識が無いので釣るのは簡単。 しかしここのゆっくり達は事前に危険な物を教えてもらっているので釣り餌や魅力的なルアーに引っかかることはほとんどない。 なのでここのゆっくりを釣り上げるには釣り針を直接ゆっくりに突き立てる必要がある。 自由に動き、小回りの利くゆっくりに釣り糸の先に垂らした釣り針やルアーを直接ぶつけるのは難しい。 ぶつけるにはゆっくりの動きを上回る釣竿捌きが必要になるのだ。 まあ粘っていればいずれ釣れるのでゆっくりの動き回る様子を眺めつつ適当に釣りをするならここが一番いい。 私の場合は元気なゆっくりを持ち帰りたいと思ってここに来たわけなので、とりあえず狙うゆっくりを決めるとしよう。 釣堀の中のゆっくり達はれいむ種とまりさ種のみで形成される群れだった。 親子や恋人同士のゆっくりもいるし、大人から赤ちゃんまでのゆっくりが揃っている。 ただし赤ちゃんはこの釣堀が開いてからの数日で釣り針に体を千切られたり、逃げ惑う仲間に潰されたりでほとんどいない。 なので狙うなら最低でもバレーボールサイズ程度の子ゆっくりサイズ以上になる。 ざっと見回して目についたのがれいむ種の親子だった。 お互いに身を寄せ合ってじっとしている。 きっと狙われてないうちは体力温存のために動かないでいるのだろう。 その証拠に二匹は背中を釣り堀の内壁に付け、お互いの死角をカバーするように辺りを見回していた。 中々出来るゆっくりのようだ。 あいつらにしよう。そう決めた私は持参した釣りセットを袋から取り出して準備を始める。 「ゆぅぅぅぅぅぅ!!!」 「まりさぁぁぁ!!!」 準備しているうちに他の客がゆっくりを釣り上げたようだ。 これはうかうかしてられない。 準備の整った私は釣竿を構えて狙いをつける。 狙いはれいむ親子、まずは子れいむからだ。 子れいむはすでに私が狙っていることに気が付いていたらしく、こちらを見て身構えていた。 それなら真っ向勝負だ。 釣竿をしならせ、ルアーを子れいむに向けて放つ。 「ゆっ!? れいむあぶないよ!!」 「ゆっくりよけるよ!!」 言った割には素早い動きでその場から離れる子れいむ。 子れいむがさっきまでいた場所の少し右の壁にルアーが当たった。 軽く回避されたがそうでなくてはつまらない。 釣竿に微妙な加減で力を加えて釣り糸の先にあるルアーを操って逃げる子れいむを追う。 私の持つルアー"すりすりちようね!"は赤ちゃんれいむを模したルアーだ。 大きく目立つ釣り針が二つ取りつけてあるので疑似餌にはならないが、大きな釣り針は逃げる相手を引っかけるのには向いている。 ちなみにリモコン操作で『すりすりちようね!!』と音声を発する。だが目立つ釣り針のせいで効果の薄い無駄機能だったりする。 「ゆっくりしてね! おいかけないでね!!」 そんな事を言いながら逃げる子れいむはジグザグに逃げるので狙いが定まらない。 だが追うことがまずは大事なのだ。 残念ながら相手が動き回れるうちに捕まえられるほど私は上手くない。 しかし無理することは無い。子れいむが疲れて動きが鈍くなるまで追い続ければいいだけのこと。 逃げる子れいむを私の赤ちゃんルアーが追いかける。 大きい釣り針をぶら下げて、可愛い笑顔で子れいむに抱きつこうとする。 人間だったら大きなハサミを持った子供に追いかけられるような感じかな。 少なくとも追いかけられる側からすればたまったもんじゃないだろう。 あっちこっちに逃げる子れいむと、それを何とか助けようとする母れいむをボーっと眺めながら釣竿を操る。 もうかれこれ30分は経っただろうか。 子れいむはさすがに疲労困憊といった様子で動きは随分と鈍くなっていた。 「ゆ、ゆぅ…っ、ゆぅ…! どうじで、れいむばっかりねらうのぉ!?」 でも一応叫ぶ程度の元気はあるようだ。 30分も走ってまだ喋れるのは実は結構すごい。だからどうだってこともないけど。 「にんげんさん! れいむをねらうなられいむをねらってね!!」 母れいむは私に向って何か叫んでる。 どっちもれいむ種だと個別に呼ぶとき大変だろうなぁ。大家族だと「れいむ」と呼べば全れいむが一斉に返事しそうだ。 なんて漠然とどうでもいいこと考えていると子れいむが床にへたっていた。 これはチャンスだ。 そしてせっかくなのでリモコン操作で赤ちゃんルアーを鳴かせてみる。 『すりすりちようね!』 実際に録音したというほのぼのした音声とは裏腹に凶器を付けた赤ゆルアーが子れいむに襲いかかる。 だがそれも、子れいむを守ろうとする母によって阻まれた。 「ゆっくりごめんね!!」 「ゆ"っ!?」 母れいむは娘に体当たりして身代わりになることを選んだ。 赤ゆルアーの釣り針二本が母れいむの右頬に突き刺さる。 さすがは母性のれいむ種と言われるだけあって大した親子愛だ。 釣り上げられた母に気付いた子れいむは悲しげに叫ぶ。 「ゆぅ"ぅ"ーん"っ!! おがーざん!!!」 「れいむっ…れいむ…っ!! ゆっくりしてね!! ゆっくりしていってね!!!」 泣きながら母を、娘を呼び続けるゆっくり達。 なんだろう。私が悪者みたいな気分だ。 でもお金払って釣りをしてるわけだし悪くないよね。 今生の別れみたいに叫んでるけど、すぐに子れいむも釣ってまたすぐに一緒になれるさ。 「おがぁざん、ゆっぐい"じでい"っでね"ぇ"…ゆっぐりぃぃ……」 子れいむは大泣きしている今ならそれも簡単だろう。 母れいむを持参したバスケットの中に詰め込む。 するとバスケットの中から母れいむが話しかけてきた。 「に、にんげんさん! おねがいだかられいむはゆっくりしてあげてね!!」 「んあー?」 「れいむはたべてもいいかられいむはたすけてあげてね!!」 どうも勘違いしているようだった。 私は少なくとも今日釣ったゆっくりを食べるつもりも、殺すつもりすらない。 あくまで家で飼ってるゆっくりの遊び相手になってもらうのが目的なのだから。 「安心しなよ。別にお前さんを食べるつもりはないよ。 娘さんと一緒に助けてやるのさ」 「…ゆ? にんげんさん れいむたちをたすけてくれるの!?」 「ああ、でも私の家に来てもらうよ? うちのゆっくりの遊び相手になってほしいんだ」 「ゆっくりわかったよ! にんげんさんたすけてくれてありがとう!!」 「いいんだよ。本当、気にしないで」 助けると言ってもゆっくり出来るわけでも楽になれるわけでもないんだけどね。 でもまあギャーギャー騒がれるのも嫌なので信頼させておくとする。 感謝の言葉を並べて結局喧しい母れいむを無視しつつも再び釣竿を奮ってルアーを放り投げた。 標的は変わらず泣きじゃくる子れいむだ。 子れいむは泣いてばかりで赤ゆルアーの接近に気付いていなかった。 このまま隠密フィッシングもいいけどせっかくなのでリモコンをポチッとな。 『すりすりちようね!』 きっと単純なゆっくりはこの可愛らしい声に振り向くこと間違いなし。 子れいむもやっぱり振り向き、その瞬間を狙って赤ゆルアーをぶつけて釣り上げる。 「ゆ"う"い"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"っ!?」 子供サイズには大きすぎる釣り針が刺さって相当痛いようだ。 しかしゆっくりは刺し傷に強いから大丈夫。きっとね。 「やだよ! ゆっぐりでぎないよ"!! ゆっぐりざぜでぇ"っ!!」 この世の終わりのような声を出す子れいむは何とか逃げ出そうと足掻いているが、 ぶら下げられた状態で、それも首だけの生物が何をしたところで抜け出せはしない。 私の元に来る子れいむは恐怖で見開いた目で私を見ていた。 すぐにゆっくり出来るさ。 私は子れいむに刺さった釣り針を抜くと、母の待つバスケットの中に詰め込んだ。 「ゆぅーん"っ!! だじでー!! ゆっぐりじだいよ"ぉ"!!」 なんて泣き叫ぶ声が聞こえたが、すぐにお母さんの存在に気付いたらしい。 感動の再会で親子揃って泣きはじめた。正直うるさい。 だが邪魔するのも野暮というもの。 目的は果たしたわけだしこの二匹は放っておいて釣り道具の片づけでもするとしよう。 「よし、そろそろ行くかぁ」 片付けの終わった私はれいむ達の入ったバスケットを持って受付へ行く。 そして番号札を渡して規定の料金を払ってゆっくり釣り堀を後にした。 家までの帰り道はバスケットの中で楽しげなれいむ達の会話を聞いていた。 しかし途中で音痴な歌を歌いだしたり、狂ったように「へぶんじょうたい!!!」を連呼しだした時は流石にぶん投げようかと。 だが可愛いペットのためにそれは我慢した。 うちのペットは元気なゆっくりと遊ばせてやりたいのだ。 ゆっくり釣り堀から歩きで一時間。 バスケットの中で騒いでいたれいむ達も疲れたようで今は静かにしていた。 家へと入り、廊下を抜け、ペットのための部屋へと入る。 「うー! うー!」 部屋に入ると体無しのれみりゃが笑顔で出迎えてきた。 私の頭の周りをグルグルと飛び回る。 しばらくすると私の頭の上に乗っかった。 適度な重さと温かみが心地よい。 「ただいまれみりゃ」 「うー!」 「今からお前の遊び相手を出してやるからな。 いきなり手を出しちゃだめだぞ」 「う~!」 れみりゃが羽を寝かせて待ちの状態になったのを確認した私はバスケットの蓋を開ける。 中のれいむ達は薄目でほとんど寝た状態だったので声をかけて起こしてやった。 「着いたぞ。今日からここがお前たちのゆっくりプレイスだ」 そう言ってれいむ達をバスケットから取り出して部屋の絨毯の上に置いてあげた。 れいむ達は物珍しそうにキョロキョロと辺りを見回し、そしてれみりゃと目が合った。 (さあ怯えて逃げ回るといい) れいむやまりさの天敵と言えばれみりゃだ。 赤ちゃんゆっくりですられみりゃを見れば怯える。 しかし…この親子はどうしたことだろう。 「うー! うー!」 「ゆっくりしていってね!!!」 「れいむとれいむはおやこだよ! ゆっくりしようね!!」 なん…だと? 怯えるどころか親しげに挨拶をしてるではないか。 今までの遊び相手はどのゆっくりもれみりゃを見ただけで逃げようとした。 中にはトラウマでもあったのか餡子を吐き出して死ぬものすらいた。 それなのにこのれいむ達は何でこんなに無警戒にれみりゃに話しかけられるんだ? そんな私の疑問もよそに、れいむ達はれみりゃに名前を聞いていた。 「ゆっ! おなまえはなんていうの?」 「ゆっくりおしえてね!!」 「れみりゃ、うー!!」 れみりゃであることも知らなかったらしい。 普通は赤ちゃんゆっくりでも知ってるというのに… 釣り堀の説明では森から捕まえてきたとあったが、いったいどこの平和な森で捕まえてきたんだろう。 疑問は尽きないが、れみりゃというゆっくりをこれから良く知ることになるのだからどっちでもいいか。 「それじゃ、れみりゃの遊び相手になってくれ」 「ゆっくりわかったよ!!」 「ゆっ、でもおにーさんはどこにいくの? いっしょにゆっくりしたいよ!!」 「いっしょにゆっくりあそぼうよ!!」 「ま、食事の時にまた来るよ」 私は部屋を出て扉の鍵を閉めた。 いつもすぐにお友達を壊すれみりゃだが、今回のお友達は元気がいいから幾分持つだろう。 それにれみりゃも最近は加減を覚えたようだしね。 後は勝手に遊んでくれるようだから食事時まで昼寝でもしようかね。 夕食時になって目を覚ました私は、れみりゃ達の餌を持って部屋へ入った。 「うー!」 「……ゅ」 「ゆっぐ…ゆっくい"」 出迎えたのはれみりゃの元気な姿と扉の前で瀕死のれいむ親子だった。 久しぶりの生きた玩具にれみりゃも張り切っちゃったのかな。もう少し放っておいたら死んでたかもしれない。 でもこの程度なら餡子を食わせてジュースをかけておればじきに復活するはずだ。 「うー! うー!」 「おおそうか。楽しかったかれみりゃ」 「う~!!」 れみりゃはご機嫌だった。 お友達が出来たのが嬉しいようだ。 「ゆっ、ゆゆっ…」 「やめてね。ゆっくりさせてね…」 そのお友達は意識を取り戻したようで部屋の隅で怯えきっていた。 そんなれいむ達に私は歩み寄る。 ビクッと身を震わせる二匹。 「明日からもれみりゃと遊んでくれよ」 そんな二匹にそれだけ伝える。 れいむ達は返事も出来ずに震えあがっていた。 それから二か月 母れいむが死んだ。 今までのお友達は一週間と持たなかったというのに随分と長く生きたものだ。 最後の一週間は外部からの刺激にほとんど反応しなくなって子れいむがひどく心配していたが。 残った子れいむはそれまでそこそこ元気にやっていたが、母が死んでからというもの日に日に元気が無くなっていった。 肉体的には私が治しているから問題ない。 だが精神的支えのいなくなった子れいむが死ぬのも時間の問題だった。 まるでただの饅頭のような子れいむにれみりゃもつまらなさそうにしている。 そろそろ次のお友達を連れてくるとしようかな。 私は釣り道具を用意する。 ゆっくり釣り堀へ出かける前にれみりゃの部屋へ行き、 「もう食べていいぞ」 と、そう伝えた。 今度はどんなゆっくりをお友達として釣ってこようかな。 私は今、それだけを考えていた。 終 by 赤福(ゆっくりしたい人) このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/528.html
ゆっくりいじめ系161 奇形ゆっくり2 「奇形ゆっくり3~ゆっくりバッジ~」 ある日の午後。 夏の強い日差しが、草原に降り注ぐ。 水分に弱いゆっくりたちは、どうやら渇きにも弱いらしく… 多くのゆっくりが木陰か川の畔でゆっくりしていた。 分厚い雲が移動して、木々に囲まれた広場に大きな影を作る。 さらに、そこへ涼しい風が流れ込むので、他の場所よりとても過ごしやすい場所となった。 そうだと分かったゆっくりたちは、広々としていてかつゆっくり出来る場所に次々と移動し始めた。 「ここならゆっくりできるね!!」 「みんなでゆっくりしようね!!」 「ここはみんなのゆっくりポイントだね!!」 雲の影の下でゆっくりし始めるゆっくりたち。 お花畑で追いかけっこしたり、蝶を捕まえて食べたり…思い思いにゆっくりしている。 僕が訪れたのは…そんな即席のゆっくりポイントでゆっくりたちがゆっくりし始めた、その時だった。 「やぁ、ゆっくりしていってね!!」 「「「ゆっ!?ゆっくりしていってね!!」」」 僕が大声で呼びかけると、周囲の大小合わせて約50匹のゆっくりは全員で挨拶を返してくれた。 うむ、いい声だ。本能に忠実で、実に健常なゆっくりである。 「おにーさん!!ゆっくりしていってね!!ここはれいむたちのゆっくりポイントだよ!!」 「へー、なかなかいいところを見つけたね!!お兄さんもゆっくりしていくよ!!」 座り込んで周りを見てみると、数十匹のゆっくりが僕の周りを取り囲んでゆっくりしている。 しばらくすると、僕のすぐ近くにいるゆっくりれいむが異変に気づいた。 「おにーさん!!そのおなかには、なにがはいってるの!?」 僕の膨らんだお腹を見つめて、不思議そうに首をかしげている。 おいおい、僕が来てから10分以上経ってやっと気づいたのか? しかも、気づいたのは僕の一番近くにいるれいむ一匹だけだ。 まぁいいか…とりあえず説明してやることにした。 「実はね……もうすぐお兄さんの赤ちゃんが生まれるんだよ!!」 「ゆゆ!?そうなの!?」 遠くまで聞こえるように説明してやったので、周囲のゆっくりがひしめき合いながら僕の周りに集まった。 どうやら新たな命の誕生となると、それが誰の子供であろうと気になるものらしい。 僕はお腹をさすりながら、皆に見えるように立ち上がった。 「おにーさんのあかちゃん!!ゆっくりいいこなってね!!」 「ゆっくりうまれてきてね!!うまれたらみんなでゆっくりしようね!!」 みんな子供思いのいい子だ。お兄さん嬉しくて涙が出てきちゃうっ…っていうのは嘘です。 人間の男が子供を生むことは無い、という一般的確定的事実を知らないのかよ。 きっと知らないんだろうな。ゆっくりはオスメスの区別なく子供を成すというから。 「あっ、もうすぐ生まれるよっ!」 苦しそうな声を出す僕。もちろん演技である。 「おにーさん!!ゆっくりがんばってね!!」 「あかちゃんもゆっくりがんばってね!!まりさたちがみてるからね!!」 「うまれたられいむがめんどうみてあげるよ!!ゆっくりかんしゃしてね!!」 興味深そうに、そして心配そうに僕のお腹を見つめながら、まわりのゆっくりたちは口々に励ましの言葉を かけてくる。 うーん…そろそろ頃合かな。と、僕は苦しそうにする演技を止めた。 「なーんちゃって!!う・そ・だ・よ!!」 「ゆ゛ゆ゛っ!?」 「お兄さんには赤ちゃんなんていませんよーだ!!」 突然の状況の変化についてこれないゆっくりたち。僕は思い切って、お腹の部分の服をめくり上げた。 「ゆっ!!」 ぼよん!! バレーボール大の、饅頭に毛が生えたような生き物が地面に落ちた。 実は、僕のお腹だと思われていたのは、一匹のゆっくりれいむだったのだ。 先ほどからずーっと、こいつは僕の服のお腹のところに押し込められていたのである。 「ゆううううぅぅぅぅぅ!!??」 周りのゆっくりたちは、混乱のあまりものも言えないという様子。 しかし、この程度でびっくりされては困る。これには、まだまだ“先”があるのだから。 「お、おにーさんのあかちゃん…なの?」 「だから違うって言ってるでしょ。この子は赤ちゃんじゃない、普通のれいむだよ」 そう言って、僕の脚の陰に隠れていたゆっくりれいむを、皆に見えるように前に押し出す。 この場から逃げようと精一杯の抵抗をして見せてくれたが、当然無意味だった。 周りのゆっくり全員に見える場所に、ゆっくりれいむは立たされることとなった。 「むっ!!むぐぐぐぐぐううぅぅぅぅぅ!!!!」 口に何かを含んでいるような、くぐもった声。いや、実際に含んでいるのである。 その中身を、僕は知っている。れいむ自身も知っている。 知っているからこそ、何があっても口の中身を外に出したくは無いのだ。 出してしまったが最後、れいむだけでなくその“中身”もゆっくりできなくなるのだから… 「ん?れいむ!!君は口の中に何か隠しているね?」 可能な限りの大声で、れいむに問う。周りのゆっくりへのアピールが目的であるのは言うまでもない。 「そうだね!!れいむのおくちがふくらんでるよ!!」 「なかになにがはいってるの!?ゆっくりそとにだしてね!!」 周囲からの呼びかけにもかかわらず、れいむは口の中身を出そうとしない。 早くこの場から立ち去りたいのだろう、涙目になっているが既に周囲はゆっくりの壁に囲まれているので ここから逃げ出すことは到底できない。 そして、僕は追い討ちをかけることにした。 「きっと食べ物に違いないよ!れいむは食いしん坊だもんね!!」 この言葉を聞いた瞬間、ゆっくりたちの目の色が変わった。 「ゆゆ!!たべもの!?れいむもたべたいよ!!ゆっくりおくちからだしてね!!」 「まりさもおなかすいたよ!!まりさもごはんたべたいよ!!」 「ぷんぷん!!ひとりじめはいけないんだよ!!みんなでいっしょにたべようね!!」 「むぐぐぅぅぅぅぅぅ!!!んぐぐぐぅぅぅ!!!!」 今にも飛び掛りそうな勢いのゆっくりたちに、れいむは必死に首を横に振っている。 うむ、あと一発背中を押してやればいいだろう。 「よし!皆でれいむの口からご飯を引っ張り出そう!そして皆で食べようね!」 「む゛ぐう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅぅぅぅぅぅ!!!???」 「ゆっくりそうしよう!!」「ごはんをゆっくりだしてね!!」 数匹のゆっくりが、目にも溜まらぬ速さでれいむを取り囲んだ。 完全に退路を絶たれたれいむは、涙を流しながら口に力をこめている。 「ゆっくりかんねんしてね!!もうにげられないよ!!」 「ひとりじめはやめてね!!それはみんなのごはんだよ!!」 四方から重圧をかけて口を開かせる作戦に出たゆっくりたち。 実際にどうなるかと見ていたが、思いのほか効果的なようだ。 れいむは苦しそうにしながらも耐えているが、その口の隙間からは中身が覗いて見えている。 ここまでくれば、もう結果は見えたようなものだ。 「せーのっ!!それぇ!!」 「ゆ!?!ぶぎゃっ!?!?」 口の中身と共に、自分自身の餡子も吐き出してしまうれいむ。 四方からのゆっくりによる圧力に、れいむの身体が耐え切れなかったらしい。 ところどころ裂けた皮からも餡子を漏らし、びくびくと痙攣しているれいむ。 「ゆっぐぐぐっぎゅぎゅぎゅ……いやあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁ…み゛な゛い゛でえ゛え゛え゛ぇ…!!」 悲痛な叫び声を上げるれいむ。その目の前にいるのは… れいむが吐き出して草原に投げ出された、れいむの子供12匹。 ただし、全員奇形である。 ありすと強制的に交尾させ、その後廃油や毒物を与えていった結果、生まれたものだ。 次に悲鳴を上げたのは、母れいむではなくその周りのゆっくりたちだった。 四方から押さえ込んでいたゆっくりたちは、喚きながら群れへと戻っていく。 「うわっ!!これごはんじゃな゛い゛よ゛!!ぎもぢわ゛る゛い゛!!さわっぢゃっだよ゛!!」 「ゆ……ぎる……づて……いね!!」 口が癒着していてうまく喋れない赤ちゃんれいむ。 その赤ちゃんにちょっと触れただけで、ゆっくりまりさは嫌悪感に声を荒げる。 「ばっちぃよ!!ばっちぃあかちゃんはむこうにいってね!!」 「ゆぎゃ!!れいみゅはうごけないよ!!おねがいだからやさしくちてね!!」 突き飛ばされて転がった赤ちゃんれいむは、生まれつき地面に接する部分が硬化していて、 自由に動くことができない。先天性なので決して治ることは無いだろう。 自力での移動が出来ないので、常に周囲に“丁寧に”助けを求める。 それが、動けない赤ちゃんれいむが誰に教えられるでもなく身に着けた知恵なのだが… 「おねがいだよ!!れいむにやさしくちてんむぶぎゅえ゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ!!!!!」 「ばっちぃあかちゃんがいるとゆっくりできないよ!!だからゆっくりしんでね!!」 声は嫌悪感いっぱい、だがとても楽しそうな顔をして動けない赤ちゃんれいむの上で どしんどしんと跳ねるゆっくりれいむ。 弾むたびに飛び散る餡子が、先ほどの衝撃で動けずにいる母れいむの顔にかかる。 「れ゛い゛む゛のあがぢゃんにな゛に゛ずる゛の゛お゛お゛ぉぉぉ!!!??」 「ゆぎゃっ!!おがーしゃん!!だじげで!!れいむをだじゅげでぇぇぇぇ!!!」 「ゆっ…ゆっぐりだずげるがらまっででね!!」 全身を駆け巡る激痛に耐えながら、母れいむは這いずって赤ちゃんを助けに向かう。 ゆっくり…だが、確実に母れいむは赤ちゃんれいむへと近づいていく。 でも、その努力は報われなかった。 「だ…だじゅげ……ゆっぐりじだがったよ゛お゛お゛ぉぉぉ……!!」 この言葉を遺して、赤ちゃんは完全にペシャンコに潰れてしまった。 「どぼじで!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!!」 あと少しのところで、勢いよく餡子を撒き散らす赤ちゃんの身体。 赤ちゃんの衝撃的な最期を目の当たりにして、口から泡を吹きながら震える母れいむ。 そんな哀れな母れいむを尻目に、僕はポケットからバッジを取り出して、 赤ちゃんれいむの息の根を止めた優秀なゆっくりれいむにつけてやった。 胸を張って威張るゆっくりの姿が描かれている、イケイケ(笑)のナウい(笑)バッジだ。 「ゆ!?これなあに!?」 「今から説明するから待っててね」 と言い残して、僕は群れの真ん中に立った。 「みんな!!大事なことを言うから、ゆっくり理解してね!!」 「「「ゆっ!?」」」 パンパンと手を叩くと、群れの全員が僕に注目した。 「ここにはばっちぃ赤ちゃんがいるから、ゆっくり出来ないよね!!」 「そうだね!!きもちわるくてきたないあかちゃんがいるから、ゆっくりできないよ!!」 「そうだそうだ!!きたないあかちゃんはどっかいってね!!」 ふむ、掴みはOK。 「そうだよね!だから、皆で気持ち悪い赤ちゃんを殺しちゃおうね!!」 「ゆぎゅうううぅぅぅ!!?」 僕の発言に顔を真っ青にしたのは、母れいむと言葉を理解できる奇形赤ちゃんゆっくりたち。 一方奇形赤ちゃんの中には、耳が聞こえなかったり精神的におかしかったりという理由で、 言葉を理解できないやつもいるが……そいつらは今の状況すら理解できていない。 「やめで!!ぞんなごどいわないで!!」 抗議の声を上げる母れいむ。ショックの連続で身体が言うことを聞かないのか、まったく動けずにいる。 僕はそんなのお構いなしに説明を続けた。 「赤ちゃんを殺した子にはこのバッジをつけてあげるよ!!」 先ほどバッジをつけてやったれいむを高く掲げて、全員に見えるようにくるっと一回転する。 楽しく説明しているところに「おそらをとんでるみたい!」などと水を差しやがったが、 力をこめて指を食い込ませ、皮を2,3箇所破ったら黙ってくれた。 「バッジをもらった子には、あとでたくさんご飯をあげるからね!!頑張ってゆっくり殺してね!!」 パンっと一発強く手を叩く。 それを合図と認識したゆっくりたちは一斉に奇形赤ちゃんゆっくりたちに襲い掛かった。 「ゆっくりころすよ!!」「ゆっくりしんでね!!」 「いやあああぁぁぁぁぁぁ!!!やめでええええぇぇぇぇぇぇ!!!」 それは、一方的な虐殺だった。 「い゛だい゛!!み゛え゛な゛い゛よ゛!!だれがぞごにい゛る゛の゛!!? やめでやめで!!!みえないのごわ゛い゛!!だれがだじゅげでよおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」 「ゆっくりしね!!きたないあかちゃんはゆっくりしね!!めのないあかちゃんはゆっくりしね!」」 「れいむはばっじをもらうんだよ!!だからあかちゃんはさっさときえてね!!」 目のない赤ちゃんゆっくりを、寄ってたかって嬲り殺しにするゆっくりれいむたち。 「hgるうおおあおおああおあおあおあprごpれおぱぺろpgっろおえぽーーーー!!!!」 「やったね!!これでばっじをもらえるよ!!」 エイリアンのような風貌でエイリアンのような叫び声をあげる赤ちゃんれいむを、 真上からのプレス一撃で仕留めるゆっくりまりさ。 別の場所では、3匹の赤ちゃんれいむが横一列にくっついた奇形赤ちゃんが、虐殺から必死に逃げていた。 「あっちににげるよ!!」「こっちににげるよ!!」「むこうににげるよ!!」 ぐいーん!! 「「「ゆぎゅえ!!どぼちでじゃまずるのおおおぉぉぉ」」」 3匹の逃げる方向がてんでバラバラのため、3方向の力が打ち消しあった結果、 れいむ3兄弟はその場でジャンプをしただけにとどまった。 こんなチャンスを逃すほど、他のゆっくりたちはゆっくりしていない。 「ゆ!!こいつら3人くっついてるよ!!きもちわるいから、みんなできょうりょくしてころそうね!!」 「3人まとめてしんでね!!3人ころせばばっじが3つもらえるよ!!」 いや、僕はそんなこと言ってないけど… 「れいむはころさないでね!!れいむはゆっくりにげっ…ゆゆっ!?」 また別の場所では、虐殺から逃れるべく跳ねて逃げようとする赤ちゃんれいむの姿があった。 しかし、この赤ちゃんは餡子が偏っているために、重心が極端に上のほうにある。 だから… 「ゆぎゃ!!さかさまになっちゃったよ!!だれかゆっくりたすけてね!!」 跳ねたり転がったりしたら最後、上下が逆さまのまま安定してしまって自力では戻れなくなるのだ。 逆さまのまま身を左右に揺らして助けを求める奇形赤ちゃんれいむ。 だが、その声は皮肉にも食に飢えた虐殺者を呼び寄せる結果となってしまった。 「ゆっ!!こんなところにもばっちぃあかちゃんがいるよ!!」 「ほんとだ!!さかさまになっててきもちわるいね!!ゆっくりころそうね!!」 「ゆっぺぎゃああああ;あ;ぁぁぁぁぁ!!!ゆっぐりじだがっだおおおぉぉぉぉ!!!!」 左右から挟み撃ちにされ、圧力に耐え切れず餡子をばら撒きながら絶命した。 それからも、奇形赤ちゃんに対する虐殺は続いた。 目が無いもの、口が無いもの、音が聞こえないもの、楕円球の形をしていて安定しないもの、 目と口の位置が逆のもの、髪の毛の代わりにリボンがたくさん生えているもの… 「もうやめでよ゛ね゛!!れ゛い゛む゛の゛あがぢゃん゛い゛じめ゛な゛い゛で!! あがぢゃんはれ゛い゛ぶがだずげであ゛げるがらね゛っ!!」 やっと体力を回復した母れいむが虐待を止めようとするが… 「ゆっ!!きたないあかちゃんをうんだおかーさんもきたないよ!!」 「そーだそーだ!!きたないあかちゃんをうんだ、きたないおかーさんもゆっくりしね!!」 「きたないおかーさんのせいでゆっくりできないよ!!あのよでゆっくりはんせいしてね!!」 体力が万全でない母れいむは、3匹の嬲り者にされてしまう。 3匹は交代で母れいむに体当たりを仕掛ける。まるでキャッチボールをしているようだ。 「ゆびゃっ!!やべっ!!どぎゅっ!!びぎゃっ!!みゅっぢゃあああああああああああああああ!!!」 皮が破れて饅頭本来の張りを失い、空気の抜けたボールのようになってしまった母れいむ。 母れいむがボールとして役に立たなくなったのを見て、3匹は別の子供を虐殺するべく去っていった。 「そこでゆっくりしんでね!!まりさたちはばっちぃあかちゃんをころしてあげるからね!!」 「やめでっ!!いがっ…ないでっ!!れいぶのっ…あがぢゃん゛!!ごろっ…ざっ…ないでっ!!」 形が崩れてしまった母れいむは、もはや自力で移動することも出来ない。 びくっと痙攣するたびに、全身の傷という傷から餡子をびゅっと吹き出した。 それでも絶命はしていない。母れいむの身体の中には、十分な量の餡子が残っているからだ。 目の前で殺されていく赤ちゃん達。 汚い汚い、気持ち悪い気持ち悪い、と罵られながら無残にも命を奪われていく。 降り注ぐ餡子を浴びて狂喜乱舞する野生のゆっくりたち。 そんなゆっくりたちの中で、特に活躍した12匹に…僕はバッチを与えた。 そして…奇形ゆっくりの悲鳴が聞こえなくなった。 言うまでも無く、それが意味するのはたったひとつの事実である。 僕は奇形ゆっくりの死体を集めさせ、餡子を吹き出しながら震えている母れいむの目の前に積み上げた。 合計12匹のゆっくりの残骸。 僕から見ればただの餡子の山だが、母れいむにとってはかけがえの無い子供たちの亡骸である。 「い、いまだすげであげるがらね゛!!まだまにあ゛う゛がらね゛!!ゆっぐりうごいでね゛!!」 傷が少し回復したのか、母れいむは焦点の定まらない目のまま亡骸の山へと這いずっていく。 奇形児しか産めない身体…そのせいなのか、母性は通常では考えられないほど強いようだ。 「だいじょうぶだよ゛!!みんなまだいぎでるよ゛!!だがらゆっぐりうごいでね゛!!」 餡子の山に自らの身体を擦り付ける母れいむ。 しかし、その山は決して動くことは無い。餡子の山が自力で動くわけが無いのだから。 一度消えた命は元に戻らない。皮をズタズタに切り裂かれて散ったゆっくりなら尚更だ。 「いますぐあんこをもどぜばなおるがらね゛!!はやぐげんぎになっでね゛!!」 そう言って餡子を口に含んで子供の皮に戻そうとするが…その皮が見当たらない。 当たり前だ、さっきの虐殺でほとんどの赤ちゃんの皮はバラバラに飛び散ったのだから。 一方周りのゆっくり達は、気が狂った母れいむなどまったく気にせずゆっくりしている。 「ゆ゛!!ゆっぐりしてないでてつだってよね゛!!はやぐじないどておぐれになるよ゛!!」 その言葉が、周りのゆっくりの怒りに触れたのだろう。 バッジをつけたゆっくりまりさが前に出て、母れいむを突き飛ばした。 「ゆぎゅ!!なにずるの゛!?あがぢゃんをだずげるんだがらじゃまじないで!!」 「きたなくてきもちわるいあかちゃんはみんなしんだよ!! みんなできょうりょくしてころしてあげたんだから、ゆっくりかんしゃしてね!!」 そう言って、ふふんと胸を張るまりさ。バッジがきらりと光った。 汚いゆっくりを殺して、ご飯までもらえる。一石二鳥だ、とでも思っているのだろう。 だが、その言葉は母れいむには届かなかった。 「ゆ゛!!みんなてつだっでぐれないけど、おがーざんがたずげであげるがらね゛!! げんぎになっだら゛いっじょにおうたをうたおうね゛!!おがーざんがおじえであげるがら゛!!」 身体を擦り付ける、その動作を止めた母れいむ。 僕はそんな母れいむにゆっくりと歩み寄る… 「いい゛?ごううたうんだよ゛!! ゆっゆっゆ゛~!!ゆ゛ゆ゛ゆっゆ~!ゆ゛ーゆーゆ゛ーゆっゆ゛ー!!ぶぎゅえっあ゛!!??」 耳障りな歌は途中で途絶えた。 僕の拳が母れいむを押しつぶし、盛大に餡子をばら撒いて絶命したからだ。 別に母れいむを哀れんだわけではない。ここまで壊れるともう楽しめないから、消しただけだ。 あと…母れいむの歌が聞くに堪えなかった、というのもある。歌唱力的な意味で。 「さて、バッジをつけてる人はお兄さんの周りに集まってね!!」 大声で呼びかけると、期待に胸を膨らませた12匹が一瞬で集まってきた。 散々待たされたけど、ついにご飯がもらえる。いったいどれだけ貰えるんだろう! 口には出さないが、表情にはそう書いてある。 でも、その期待は…残念ながら現実にはならないんだ。 「この12人は頑張って汚い赤ちゃんを殺した、とても………悪いゆっくりだよ!!」 「ゆゆっ!?なにをいってるの!?」「ゆっくりせつめいしてね!!」 うろたえるのは当然12匹のバッジをつけたゆっくりたちだ。 汚いゆっくりを頑張って殺したのだから、きっと褒められるに違いない…と思っていたのだろう。 混乱していて状況を理解できない周りのゆっくりに向けて、僕はさらに説明を続ける。 「バッジをつけたゆっくりはとても悪いゆっくりだよ!!そんなゆっくりとはゆっくりできないよね!!」 「いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!!どおじでぞんなごどいうのおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」 自分の存在意義を否定され、涙する12匹。 自力でバッジを取ろうとするが、しっかり固定されていてゆっくりの力では絶対に外せない。 周りのゆっくりは、僕の言葉に無言で耳を傾けている。 バッジをもらったゆっくりに対する嫉妬は、もう消えうせていた。 そして… 「“ニセモノ”のバッジをつけてる、この悪いゆっくりを皆で協力して殺してね!! 頑張って殺した人には、ホンモノの“バッジ”をあげるよ!!ご飯がたくさん食べられるよ!!」 「ゆっぐりいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「ばっじほしいよ!!わるいゆっくりはゆっくりしんでね!!」 「わるいゆっくりをころして、ばっじをもらうよ!!わるいまりさはゆっくりしね!!」 そして再び始まる、一方的な虐殺。 僕はゆっくりの殺し合いを、ゆっくりと眺めることにした。 「ゆっぐりじだがっだよお゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉぉぉ!!!」 あとがき 「ごはんたくさんあげるから、仲間を殺してね」 ってだけだとよっぽど空腹じゃない限り同属殺しはしないと思った! でも奇形ゆっくりと悪い(と思い込ませた)ゆっくりだと、ついつい殺しちゃうんだ! 自分がいいことをしてるっていう免罪符に似た思い込みがあるからね!! それにしても、これがぬるいと思っちゃう俺は末期だね!! 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/495.html
前 ※若干オリあり? ※虐待度はやや低め ※若干罵詈雑言気味 ※読むに堪えない文章は仕様です というわけで、あっという間に出産日。 ボールの中ではさすがに出産なんて出来ないので、2週間ぶりにゆっちゅりーを外に出す。 圧迫感から開放されたものの、2週間も食事もろくにとれず、コミュニケーションも満足に出来ずの状態だったわけだから相当ぐったりしている。 「も、むきゅ・・・うぅ」 「ぱちゅりー、だいじょうぶ?ゆっくりしていってね」 そんな彼女に寄り添うゆっくりまりさ。実に健気で、美しい光景だ。 見てるとなんだか腹が立つくらい美しい。 「ゆっくりしてる場合じゃないだろ?早く子供を産んであげないと!」 腹が立ったので水を差してやった。 「むきゅ・・・そうだね、ゆっくりするならあかちゃんをうんでからだよね」 「ゆ!ぱちゅりー、ゆっくりいそいでうんでね!」 「矛盾しとるぞ、まりさくん」 などと突っ込みを入れていると、ゆっちゅりーが突然うめき始めた。 「む、むぎゅぅぅぅぅぅ・・・!?」 どうやら本格的に陣痛が来たらしい。 今までボールの中にいて全く見えなかったが、彼女の口の下には産道らしき穴がある。 まるで人間の女性のそれのようでちょっぴりいやらしい。思わず赤面しちゃったさ。 「ぱちゅりー!どうしたの?!」 「う゛うばれりゅ・・・!?」 「もうすぐらしい。まりさ、君は少し離れていなさい」 それでもなかなか離れようとしないまりさを抱き上げ、ゆっちゅりーから少し距離を置く。 「ゆ゛うううぅぅううう・・・」 出産は想像以上に難航しているようだ。 ボールで圧迫されていたせいで胎内の子供がすでに死んでいるのかもしれない。 生きていたとしてもまともに歩けないような重度の障害をわずらっている可能性もある。 「ぱちゅりー・・・ゆっくりがんばってね!」 俺の隣では自分が出産しているわけでもないのに苦悶の表情を浮かべるまりさがゆっちゅりーを励ましている。 実に微笑ましい光景だ。さっきからこんなことばっかり言っているような気もするが、むかつくくらい微笑ましい光景だ。 それと同時に、この微笑ましさの分だけ子供の姿を見たときに絶望するんだと思うと鳥肌が立ってくる。 「なあ、まりさ。俺の話をゆっくり聞いてくれよ?」 「なに、おじさん?」 「もし、ゆっちゅりーの子供が未熟児や奇形児だったらその子を口の中に隠してほしいんだ」 「ゆ!?それってまりさにk」 「静かにする!」 「ゆぅ・・・」 「安全なボールの中にいたから大丈夫だとは思うんだけど、万が一の可能性がある。あんな狭いところで我慢したのに、ようやく生まれた子供が元気じゃなかったら可哀そうだろ?」 「ゆ!おじさんのいうとおりだね」 流石ゆっくり。こんなこじつけも同然の話に素直に納得してくれる。 「それにまりさも知っていると思うけど、ゆっちゅりーは子供を産むと死んでしまうだろ?」 「ゆぅ・・・」 目を背けていたかった事実を突きつけられあからさまに落ち込むまりさ。 でも、本当に落ち込みたいのはこっちなんだぞ、このド畜生饅頭が。 「だからさ、それまで隠し切れれば良いだけの話なんだ。口の中に隠すときにはゆちゅりーの目を隠すし、他のフォローもお兄さんがするから」 「うん、わかった。ゆっくりくちのなかにかくすよ」 「ありがとう。よし、それじゃ、素早く隠せるようにゆっちゅりーのそばに行こうか?」 そう言って立ち上がると、出来る限り柔和に微笑んだ俺の表情を見たまりさは「ありがとう、おにいさん」とまりさらしからぬ殊勝な言葉を口にすると、ゆっくりゆっちゅりーの傍へと跳ねて行った。 「おにいさん、か・・・」 結論から言えば、赤ちゃんは明らかに奇形で、その上未熟児だった。 もっとも、まだおなかの中にいるのでゆっちゅりーには見えていないが、俺とまりさにはその赤ちゃんの異形がはっきりと確認できる。 いわゆる結合双生児というやつだ。しかもその子ゆっくりはまりさの右目とゆっちゅりーの左目が完全に一体化しているかなり異様だった。 ボールによる圧迫の影響で産道が小さかったこともあるだろうが、蔓から生まれてくるものよりもやや小さいくらいの未熟児なのに難産になったのはこれが原因だろう。 「ゆっぐりぃぃぃぃ・・・」 「ゆぎぃいぃぃぃ・・・」 2つの口からそれぞれに呻き声が漏れるが、その違和感にゆっちゅりーはまだ気付いていない。 産みの苦しみのせいで、そんなことを気に留めている余裕がないのだ。 「むぎゅぅう゛・・・・」 「がんばれ、ぱちゅりー!」 自分はすでに残酷な現実を突きつけられているにも関わらず、まりさはそれをゆっちゅりーに気取らせまいと、必死でわが子の安産を願う親を演じる。 本当に健気な奴だ。ちょっと前に独善的で思い上がりの激しい自信家だなんて言った自分が恥ずかしく思えてくる。 「ぎゅうううぅぅう・・・」 「もう少しだぞ、ゆっちゅりー!!」 あと少し・・・あと少しでゆっちゅりーの子供が産道から飛び出す。 俺はすぐにゆっちゅりーの視界をさえぎるべく彼女の後ろに回りこみ、まりさは子ゆっくりを口の中に隠すための準備に入った。 あと少し、あと少しで産まれる。 「む、むきゅううう!!」 俺とまりさが固唾を呑んで見守る中、ゆっちゅりーが悲鳴にも似た声を上げると子ゆっくりたちが飛び出した。 「「ゆっきゅりちちぇちぇね!」」 舌っ足らずで、あまり声も大きくなかったが紛れもなく、子供達はこの世界に生れ落ちた。 本当ならその誕生を心から祝福したいだろう。 子供達をゆっちゅりーの傍に連れて行って、彼女をねぎらってやりたいだろう。 きっと並のゆっくり、喚起のあまりにさっきの約束を忘れてそうしていただろう。 だが、このまりさは違っていた。自分のすべきことは何か?それをわきまえて、わき目も振らず2匹の、いや1対の子供を自分の口の中に丸呑みした。 「・・・まりさ、なにしてるの・・・?」 しかし、その賢明さが仇となった。子供を口の中に入れたまりさがこっちを振り返ったとき、俺はゆっちゅりーの視界をさえぎるどころか子供をしっかり見られるように彼女を抱きかかえていた。 「んぐ!?」 目の前の光景に、1週間とは言えゆっちゅりーの安産という共通の目的のため協力し合ってきた俺の予定以外の行動に動揺し、硬直するまりさ。 そして、この俺がその瞬間を逃がすはずがない。 「この腐れゆっくり!何をしやがるんだ!!」 怒鳴りつけるが早いか、飛び掛るのが早いか。まりさを捕らえた俺はさっきまでゆっちゅりーが入っていたゆっくりボールを手に取り、その中に子ゆっくりを食べた悪いゆっくりまりさを放り込んだ。 「だから・・・だから勝手に妊娠なんてしてほしくなかったんだよ・・・ッ!」 涙ながらに床をたたきつけ、すでに虫の息のゆっちゅりーを怒鳴りつける。 「ご、ごめん、なさい・・・むきゅ・・・う」 子供が奇形だった上に、夫とも言えるまりさに食べられてしまう瞬間を目撃してしまった以上、反論なんて出来るはずもない。 「お前が謝ったって仕方ないだろ?悪いのはお前を騙したこのまりさなんだから・・・」 「むむー、あいああおうあおおううう・・・」 「うるさい!」 抗議しようとするボールの中のまりさを蹴飛ばし、涙をぬぐう。 我ながら名演技だ。ゆっちゅりーが死ぬのが悲しいのは事実なんだけどな。 「こんな奴と交尾したばっかりに・・・何の罪もない子供が奇形の未熟児なんかに・・・!」 そういって更にボールの中のまりさを蹴りつける。 本当は俺が適当なこと言ってあんなボールに閉じ込めたからなんだけどな。 「挙句の果てには喰われる羽目になって・・・!」 怒鳴り散らしながら何度も何度も蹴りつける。 「ゆうぅぅぅ・・・」 ゆっちゅりーは複雑そうな表情でその様子を見守っている。 一度は愛し合ったまりさを助けるべきなのか、それとも“本当に自分を気遣ってくれていた”ご主人の悲しみと怒りを理解すべきなのか、判断しかねているらしい。 しかし、戸惑っているうちにも死が近づいてくる。どんどん体が動かなくなっていく。 「ゆ・・・ゆぅ・・・」 面白がってまりさを蹴りまくっているうちに、もはや喋ることすら間々ならなくなってしまったゆっちゅりー。 実はビッチだったことや俺の純情を踏みにじったことは今でも腹立たしいが1年近くも一緒に生活してきたんだ。 最後くらい、きちんと見送ってあげよう。そう思った俺は彼女をひざの上に乗せ、頭をなでながらお別れの言葉を口にした。 「もう最後だから言うけど、実は・・・お前の子供があんな風になったのは・・・お前がゆっくりボールに入ったせいなんだ」 このときの俺の表情は、きっと満面の笑みだったろう。 ・・・ゆっちゅりーは旅立った。実に良い表情で。そして、居間には俺とまりさだけが残された。 ボールの中のまりさの口の中には奇形の子供が1対。勿論、まりさを世話するつもりなんて微塵もない。 あいつ自身の口の中に少量ながらも食料が保存されているから、すぐに上で苦しむ出すということはないだろう。 死ぬまでボールの中で俺の嫁に手を出したことをゆっくり反省してもらおう。どんなおしおきが効果的だろうか? 振動を与えて発情させ、すっきりする前に止めてから、ゆっくりアリスの群れの中に放り込んでやるのも面白いかもしれないな。 すっきり出来ない苦痛と、アリスに囲まれている恐怖と・・・どっちで気が狂うのだろうか? そして、俺の膝の上には物言わぬゆっちゅりー。 よく見てみると子供を産んだ際に出来た産道が塞がっていない。死んでしまったから再生能力も失われてしまったのだろう。 ゆっくりと人間では交尾の方法が根本的に違う。だから人間とゆっくりが交尾をすることは不可能だ。 たまに咥えさせたり、体に空けた穴に挿入したりする者はいるらしいが、そんなものは交尾とは呼べない。 やっぱり、自然にある穴に挿入してこそ夫婦の営みだと思うんだ。そして今、膝の上にいる彼女には普段のゆっくりにないものが付いている。 そんなことを考えた直後、まりさの最初のおしおきが決定した。 もっとも、ただ見ているだけで良いのだからこんなものをおしおきと呼べるかは正直怪しいところだけど。 ---あとがき?--- ホスト規制で7回はイってしまったぜ。 今までに比べたら若干虐待描写は多めだと思います。 しかしそれでも少ないのは、作者がそのものを見せるより想像力を掻き立てるほうが良いと考えているからです。 まあ、こんなしょっぱい文章じゃ想像力なんて掻き立てられないでしょうが。 最初のお仕置きは言うまでもなく目の前でゆっちゅりーを屍姦ですね。なまじ頭が良くて義理堅いこのまりさだからこそ効果のありそうなものです。 お兄さん変態すぎます。しかも、ゆっちゅりーは好きだけど別にゆっくりが好きなわけではないとか、訳が分からん。 ホスト規制で書き込めないのでここで色々。 ゆっくりを野球に使いたいときはゴム製ゆっくりボールをご使用ください。 使い方は簡単! テニスボールサイズで、中が空洞のゴム球の中に一箇所だけ開いている穴から子ゆっくりを入れてください。 ただし、その際には背中から押し込むようにして穴の部分が口のところに来るようにするのをお忘れなく。 ゴム餡子の流出を抑えてくれるので死ぬことはありません。また、穴が開いているので窒息することもありません。 一つだけ残念なのはがっちり抑えつけられるせいでゆっくりたちの阿鼻叫喚があまり聞こえないこと。 サッカーやその他球技の場合でもfuku1391.txtにあるその競技にあったサイズのボールにゆっくりを入れて、 安全のためにゴムカバーをかければ問題ありません。さあ、皆様、ゆっくりボールでゆっくりスポーツライフをお楽しみください。 このSSに感想を付ける